検索による「決済サービスの異常検知」と「不正取引の排除」の事例
「Elastic Stack」は多種多様なグローバル金融機関に導入されており、たとえばBARCLAYSではサイバーセキュリティ基盤として、E・TRADEではElasticの学習機能を利用した異常特定などに活用されている。また、CREDIT SUISSEは毎月3,000万件以上の取引データの集計をクイックに提供する仕組みを構築し、Goldman Sachsはエンタープライズサーチに活用している。
空久保氏は、日本企業のSBペイメントサービス株式会社の導入事例も紹介した。決済データを1分おきにElasticsearchに投入して、オンライン決済サービスの状況をリアルタイムで可視化したり、機械学習を使って人が見えない部分を含めた異常検知を行ったりしている。さらに、可視化をビジネスデータにまで広げ、部門や個人の売上推移などの可視化・把握を行っているという。
そしてもう1社、米国有数の信用組合サービス組織であるPSCUの事例を紹介した。Elasticを導入し、あらゆるデータを集約させて機械学習機能とアラート機能を活用することで、導入から18ヵ月の間に1,500の信用組合に対し、4,000万ドル相当の不正行為を未然に阻止したという。なお成功の決め手について、空久保氏は「Elastic導入とともに不正インテリジェンスという新規部門を創設したが、あらゆるデータについての検知を行い、異常を検知したらアラートを出すというところまで自動化を実現し、最終的なところだけ人が判断するということを徹底させたこと」と評した。