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金融デジタライゼーションに不可欠なElasticを活用した「リアルタイムリスク検知」とは?

Biz/Zine Day 2021 Winter レポートVol.7:Elasticsearch株式会社 空久保勲氏

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 コロナ禍を背景に金融サービスのデジタル化が加速的に進む中、ユーザーの利便性が向上する一方で、不正取引やサイバー攻撃、サービス停止などの“デジタル化にともなうリスク”も同時に増大している。これらのリスクを未然に防止するために有効な手段が「リスクの検知」だ。とはいえ、大量なリアルタイムデータの中からリスクの兆候を素早く正確に検知することは相当に難しい。はたしてどのように行うのか、Elasticsearch株式会社エンタープライズアカウントエグゼクティブ(金融担当)の空久保 勲氏が、国内外の事例を踏まえて紹介した。

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金融デジタライゼーションによって増大するリスクにどう備えるか

 金融分野において進む、デジタライゼーションなどを取り入れた“先進的でより良いサービス”の開発・提供によって、利用者に大きな利便性が得られるという「金融デジタライゼーション」。リアルタイムかつ大量のデータの活用などにより、改善点を見出しながら持続的に進化させるという「イノベーション・サイクル」の確立が期待されている。しかし、さらなる発展のためには、利用者が新しいサービスを安心かつ安全に利活用できることが不可欠だ。

 空久保氏は、金融庁の令和2事務年度の行政方針から抜粋し、日本における金融デジタライゼーションの定義および現状をそう説明した。実際、インフキュリオンの「決済動向2020」によると、日本のキャッシュレス決済の状況は、消費税関連事業やコロナ禍などの影響もあって、電子マネーやQRコード決済などを中心に伸長している。とりわけQRコードの利用者比率は48%に増えており、さらなる普及が予測される。

 サービスのデジタル化によって、利便性・スピードなどが大幅に向上し、デジタルマーケティングの高度化が進むことは喜ばしいことだ。しかし、その反面でリスクも増大しつつある。たとえば、サイバー攻撃の高度化によって顧客情報などの情報漏えいやランサムウェアなどの脅迫が急増しており、テレワークが増える中でリスクも拡大している。振り込め詐欺やインターネット不正振込、マネーロンダリングなどの不正口座利用についても年々手口が高度化し、収束する様子がない。システム障害などによるサービス停止の影響範囲が広くなれば、機会損失やビジネスインパクトの増大も懸念される。

 空久保氏は、2018-2020年に発生した大規模インシデントの影響を示した図、2020年に日本の金融界で起きたニュースの見出しを提示し、「セキュリティが高いとされる企業も大きな被害にあっている。もはやどんな企業でもリスクの可能性は否めない」と警鐘を鳴らす。

2018-2020年に発生した大規模インシデント

日本の金融における昨年のニュース見出し

 それではこれらのリスクにどう対応すればいいのか。空久保氏は「未然に検知し、防止することが理想的」と語り、そのためにはデータに埋もれたリスクの予兆をリアルタイムで検知する必要があると話す。しかし、データは指数関数的に増大しており、その中から「リスクの予兆」を検知するのは至難の業だ。IDCの2020年5月の発表では、2020年のデータ総量は59ZB(ゼタバイト)の想定であり、過去10年で60倍に増加し、今後も指数関数的に増加して、2025年には175ゼタバイトとなるといわれている。その30%がリアルタイムデータとなる見込みであり、サービスのデジタル化の加速やテレワークの普及、そして5G展開などもあって、今後もデータ量が増えていくことは間違いない。

 さらに、空久保氏は「データの増加に加えて、データの多様化も予兆を把握する上で大きな問題」と指摘する。まず構造化データとして、社内には基幹システムや各業務システムなどによる顧客情報や口座情報、取引情報などがあり、外部にも信用情報や気象情報などがある。そして、非構造化データについては、社内にはシステムなどの複雑化にともなう様々なログデータ、社外にはSNSやメディアなどのデータが大量に存在する。データが多様化すれば、システムの変更・拡張に費用がかかり、複数システム横断検索ができない、ログデータの集約やリアルタイム活用ができないなど、様々な課題が生じる。

多様化するデータ

 その中で、どうすれば「リアルタイムでのリスク検知」が可能になるのか。まず、非常に困難でハードルが高いとはいえ、社内外の構造化・非構造化データをすべて「統一されたデータソース」に取り込む必要がある。そこから必要なデータを高速に検索できれば、ルールベースでのリスク監視・検知や、AI/機械学習によるリスク検知やスコアリング、リスク検知後のアラート、データの可視化および分析も可能になるだろう。

データ駆動によるリアルタイムでのリスク検知のイメージ

 「こうした基盤を構築しうるポテンシャルを持っているのが、Elasticsearchの『Elastic』だ」と空久保氏は強調する。

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膨大なデータから必要な情報を高速で検索する

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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