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つくることで学ぶ-クリエイティブ・ラーニング

第2回

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創造的な学びの体系-「ラーニング・パターン」

 ラーニング・パターン(Learning Patterns)は、創造的な学び(クリエイティブ・ラーニング)の秘訣を言語化したものである。ラーニング・パターンは、慶應義塾大学井庭研究室で2008年から2009年に制作された、創造的な学びのパターン・ランゲージである。それ以来、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の初年時教育で用いられているほか、国内外のカンファレンス等でこれを用いたワークショップが開催されている。ラーニング・パターンには、学びの「状況」において、どのような「問題」が生じやすく、それをどう「解決」すればよいのかという秘訣が、小さな単位で40パターンにまとめられている

パターン形式 図2:パターン形式                                           ラーニング・パターンの各パターンは、どれも同じ形式で記述されている。まず、パターンの名前である「パターン名」があり、その内容を表す「導入文」と「イラスト」がある。ここまでの部分を読むと、パターンの概要がつかめるようになっている。それ以降は、そのパターンの本体部分になる。そこには、どのような「状況」(Context)において、どのような「問題」(Problem)が生じやすく、それをどう「解決」(Solution)すればよいか、ということが書かれている。この「状況」「問題」「解決」の記述によって、学びの実践における問題発見・問題解決が支援されることになる。
 解決の方法が書いてあるといっても、そこに書かれているのは、解決の発想であり、具体的な手順や指示ではない。そのため、パターンを読んだ人は、それを利用するためには、自分の状況に合わせて具体化して実践することが求められる。そのため、「解決のためのヒント」が書かれていると思ったほうがよいだろう。つまり、使う人に創造性が求められるのである。このように、ラーニング・パターンは、「創造的な学び」の秘訣を示すことで「創造的な学び」の支援をするとともに、それを使う人の創造性も引き出すようにまとめられているのである。

次のページ
「ラーニング・パターン」の全体像

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この記事の著者

井庭 崇(イバ タカシ)

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