創造的な学びの体系-「ラーニング・パターン」
ラーニング・パターン(Learning Patterns)は、創造的な学び(クリエイティブ・ラーニング)の秘訣を言語化したものである。ラーニング・パターンは、慶應義塾大学井庭研究室で2008年から2009年に制作された、創造的な学びのパターン・ランゲージである。それ以来、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の初年時教育で用いられているほか、国内外のカンファレンス等でこれを用いたワークショップが開催されている。ラーニング・パターンには、学びの「状況」において、どのような「問題」が生じやすく、それをどう「解決」すればよいのかという秘訣が、小さな単位で40パターンにまとめられている。
解決の方法が書いてあるといっても、そこに書かれているのは、解決の発想であり、具体的な手順や指示ではない。そのため、パターンを読んだ人は、それを利用するためには、自分の状況に合わせて具体化して実践することが求められる。そのため、「解決のためのヒント」が書かれていると思ったほうがよいだろう。つまり、使う人に創造性が求められるのである。このように、ラーニング・パターンは、「創造的な学び」の秘訣を示すことで「創造的な学び」の支援をするとともに、それを使う人の創造性も引き出すようにまとめられているのである。