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TBWAワールドワイド、カルチャー・インテリジェンスチームBackslashが最新版エッジ発表

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 TBWAワールドワイドのカルチャー・インテリジェンスチームBackslash(バックスラッシュ)は、「2021年のエッジ(Edges, 2021)」レポートを発表した。

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 「エッジ(Edge)」とは、単なる流行に留まらず、世の中に台頭しつつあり将来の文化に大きなインパクトを与えると予測されるトレンドを意味する。企業やブランドが各市場のシェアを伸ばすための原動力となるカルチャーシフトが「エッジ」。

 Backslashは、「人の価値観として根付いていること」「具体的な消費行動に影響を及ぼしていること」「ビジネスに対して明確な示唆を持つこと」などの基準を満たしているものを「エッジ」として選定。さらに、「エッジ」として発表するにあたっては、そのカルチャーシフトが1年以上持続していること、近い将来もそれが世界にとって重要であること、そして、グローバルに通用し、世界の大多数の地域で顕在化しているものであることが欠かせないとしている。

 今回の「2021年のエッジ」の定義には、世界300名以上のTBWAカルチャースポッター、ストラテジスト、カルチャーに敏感なクリエイティブが専門知識を持って参加。8つのチームが各自の地域のカルチャーシフトをまとめ、80以上ものエッジが検討委員会に提出された。そして、45カ国において各地域との関連性を検証し、最終的にグローバルに通用する40のエッジが定義された。今回発表された「2021年のエッジ」レポートでは、この40の「エッジ」を6つの章に分けて紹介している。

「2021年のエッジ」各章概要

 世界を具現化するカルチャーシフトを、「混沌」「保全」「発展」「アイデンティティ」「解放」「再生」の6章に分けて紹介している。

  • 混沌 (Chaos):さまざまな対立が生まれている現在の「混沌の時代」に、企業やブランドは、圧力から人々を解放する役割を求められている。
  • 保全 (Preservation):混乱が続く社会の中でも、人々は心身を守らなければならない。最悪の事態に備えながら危機を回避し、壊れかけたものは回復し、そして必要不可欠なものを確保できるように、さまざまなビジネス支援が期待されている。
  • 発展 (Advancement):長い間、新たなテクノロジーは「進化」として受け入れられてきましたが、ついにその影響が疑問視され始めている。便利さのためにプライバシーが、自動化のために真価が、最適化のために人間らしさが犠牲になる覚悟を人々が持っているか、問いかけている。
  • アイデンティティ (Identity) : 人々のアイデンティティは、仕事や性別、人間関係などのステータスによってつくられるものではなくなり、これからは、より良い世界をつくるためにどれだけ貢献できるかによって価値づけられる。
  • 解放 (Liberation):「本物」を追求するカルチャーは、さまざまな抑圧や不必要な大量消費などからの解放を実現するでしょう。これからの「原点回帰」の時代においては、透明性を持って「本物」にチャレンジするブランドが新たな空気を創り出すことでしょう。
  • 再生 (Re-birth):新しい世の中に対する前向きなビジョンを提案。より包括的・持続可能で、公平な社会の実現が共通目標となる。

主要なエッジ紹介

 完全版で取り上げているエッジの一部を下記のとおり。世界のニュースは「今」の問題を取り上げるのに対し、Backslashのエッジは「次」にやってくることを指摘。この6つのエッジは、特に最近の世界的なニュースにも関連している。

  • カラダの議論はすべての人へ (Body Debates) : 身体関する議論はかつてないほど盛り上がっている。白熱した論戦が広がり、エンターテイメントや大手製薬会社などが、それぞれの立場を示している。
  • 倹約するという贅沢な暮らし (Fruga-licious): 節約志向が広がり、身の丈にあったミニマルな生活志向が高まっている。ミレニアル世代やZ世代の若者は、犠牲を払ってミニマルなライフスタイルを選ぶわけではない。彼らの心と懐に優しく、そして地球にとってもスマートな選択なのだ。
  • ジェンダールール (Gender Rules): 人々は今「性別」を超えた価値観を求め始めている。性別で2つに分ける考え方、そしてそれぞれの性別に押し付けられたさまざまな常識を壊すときが訪れている。身体的な性別を超越した新たなアイデンティティの模索が広がっている。
  • 新しい学びの機会 (New School): パンデミックによって教育システムは試練に立たされ、学習方法は一変した。学校のカリキュラムは屋外へ移動し、TikTok上でも教育活動が行われ始めている。大人もまた自己投資のため、専門的技術を磨いたり、趣味趣向を極めている。
  • 便利さにも社会的意識を(Conscious Convenience): これまで「いかに便利に」「いかに私欲を満たすか」で商品の購入を決定していた生活者は、今、商品の背景にある労働基準・人権、持続可能性などについてまでも意思決定の判断基準に含めるようになった。エシカルなショッピングを手助けするアプリを通して、消費者もより個人の理念に基づいた消費ができるようになっている。
  • 流動的な空間 (Fluid Spaces): パンデミックの影響で使われなくなったオフィスや店舗に新たな価値を生み、都市空間が改革されている。形はさまざま。物理的な空間の役割を再考する中で、企業はより合理的な不動産の使い方を追求している。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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