若者を巻き込むための工夫
石倉:若い世代の話に戻りますが、エンゲージメント(関与)について、オードリーさんは若者を巻き込んで素晴らしい仕事をされています。私は未来をつくる若者を頼りにしていますが、あまり積極的ではないというか、あなたがかつて台湾で参加したひまわり学生運動のような社会的な活動にも参加していないようです。若者を批判するのは簡単ですが、勇気づけて参加を促すことが必要だと思います。30歳くらいの方へアドバイスはありますか。
タン:私はあと1ヵ月ほどで40歳になりますが、若者というのはデジタルネイティブな世代です。デジタル世界というのが当たり前で、オンラインのオープンスペースで物事を考えています。何か共感できるものがなければ、自分たちの物理的な近隣の存在を意識できず、当然、自分にとって身近な存在であるネット上のコミュニティに興味が向かいます。ですから、近隣社会という考え方は、デジタルの世界では変化していると思います。この問題の解決方法はとてもシンプルで、たとえば町内会などで、デジタルネイティブの若者にDXの指導をしてもらえばいいのです。