人間社会の成熟期である「自律社会」と「技術発展」の関係性
中間氏はSINIC理論から導かれる「自律社会」の特徴について、次の5つを挙げた。
- 「物より心」「個人より集団」を重視する価値観に基づいた自律分散型社会
- 経済発展としては成熟段階を迎えている
- 自律性・互助性を備え、人間が真の変容を遂げている
- 「精神生体技術」が社会を革新する原動力となる
- 最適コントロールから、ノー・コントロールの理想に向かう
じつは、このように50年前に確立したSINIC理論が描く未来の姿は、その後のさまざまな未来予測にも現れている。たとえば、1992年にケヴィン・ケリー氏が著した『out of control[2]』もその一つだ。世界で同時多発的に未来に気づき始めた人がおり、共通している要素が「自立」であり、加えて他との「連携」を必要としていること。そして、冒頭にもあったように機械に任せる部分は任せ、人間にしかできない「創造」を重視していることにある。