丸井グループはこれまで、お客さまや社会の変化に合わせ、事業構造とビジネスモデルを転換してきた。世の中の環境がデジタル技術の進化により大きく変化する現在、丸井グループのビジネスモデルも有形投資から無形投資への大きな転換期を迎えているという。これまでの小売×フィンテックに、共創投資と新規事業投資からなる「未来投資」を加えた新たな三位一体のビジネスモデルを推進することで、「知識創造型企業」へと進化し、さらなる企業価値の拡大をめざしていくと述べている。
「okos」について
丸井グループの「未来投資」では、「サステナビリティ」「Well-being」「デジタル(DX)」などによるインパクトと収益の両立をめざす。新規事業投資は社内での事業開発によるイノベーション創出、共創投資は社外とのコラボレーションによるイノベーション導入をめざしている。
これまでもつみたて投資専門の「tsumiki証券株式会社」やマルイと暮らすシェアハウス「MARUI TOCLUS(マルイ トクラス)」などの社内での新規事業開発や、社内外のピッチ開催といった多様なパートナーとのオープンイノベーションを進めている。
今後、こうした取り組みを加速するために設立したのが、新会社「okos」。「okos」は、事業開発部門ではなく独立した企業として活動し、スピードを持ってインキュベーションするとともに、社内起業家人材の育成プラットフォームとしての機能も果たすという。
また、「okos」の社外取締役には、スタートアップ支援で豊富な経験を持つ郡裕一氏を招聘。郡氏は、これまでも丸井グループの新規事業開発プログラムに携わるなど、さまざまなサポートしており、「okos」においても、メンバーのメンタリングやサービスのローンチにあたってのアドバイスなどにより、早期事業化に尽力する予定だという。
ネーミング、ロゴデザインに込めた想い
新会社「okos」のネーミングは、「今までなかったものを新たに生じさせる」「新しく物事を始める」に由来し、新規事業を「興す」という意味を込めたもの。また、ロゴは「実現したいビジョンを掲げる」「風を起こし吹かせ続ける」ことの象徴として、旗をモチーフとしたデザインとし、未来に向かう起業家の意思や姿勢を表現している。ネーミングおよびロゴデザインは、佐藤オオキ氏率いる世界的なデザインオフィス「nendo(ネンド)」により作成された。
「okos」がインキュベーションするのは、リアル店舗ではなくECを核としたビジネス。WebサイトやSNS、オウンドメディアなどオンラインでのコミュニケーションを行い、ECに送客することで顧客との付き合いが始まると同時に、WebメディアやECの補完としてリアル店舗を活用した常設ショップやポップアップストア、イベントなどを実施することで、お客さまの体験価値の向上を図る。そうした取り組みを経てファンになった顧客に対し、EC・店舗での決済やクレジット機能の提供や会員募集などを行いLTV(生涯利益)の向上につなげる、独自のビジネスモデルを展開していくという。
「okos」は、「サステナビリティ」「Well-being」「デジタル(DX)」を領域とした事業からスタートし、収益化した事業をさらに独立させ子会社化することで、グループの中長期的な収益貢献につなげていくと述べている。
丸井グループは、「okos」の取り組みによる新規事業の立ち上げと早期事業化で、継続的な事業拡大を図っていく。その中で、年間2億人が来店するマルイ店舗や700万人を超えるエポスカード会員、モノづくりや接客・販売に精通した人材などのリソースの活用、および丸井グループのビジョンに共感した個人や企業といったさまざまなステークホルダーとの共創により、インパクトと企業価値向上の両立をめざしていく。