両社は、5Gのネットワークの拡大およびネットワークスライシング技術などの実用化を見据えて、通信ネットワークを活用した遠隔操縦の商用サービスの実現性に関する実証実験を、2019年から共同で行ってきた。
この実証実験では、優先制御機能を付与した通信ネットワークと「SmartVPN」で構築した閉域網を活用して、カナモトが開発した遠隔制御装置「KanaRobo(カナロボ)」と4台のカメラを搭載した建設機械(バックホー)を、操作室から遠隔操縦。無線区間を優先制御機能で安定させて伝送区間を閉域網にすることで、映像の遅延を短縮することができた他、閉域網内でバックホーと操作室を直接通信することで操作信号の揺らぎを軽減させて、操縦者が遠隔でも違和感なく建設機械を操縦できることを確認した。
ソフトバンクとカナモトは今後、天候やネットワークの負荷状態などを考慮した試験を行い、2022年以降の商用サービス提供を目指すという。また、建設機械の遠隔操縦の他、AI(人工知能)解析ソリューションなどを組み合わせたパッケージでのサービス提供も視野に入れ、さまざまな実証実験を行っていくとしている。