2023年に国内市場規模が1兆円を超えるとされる「スマートシティ」。関連領域が広い分、全体像がわかりにくいという声もある同分野への理解を深めるべく、モビリティデータプラットフォームを提供するスマートドライブの石野真吾氏が、各領域のキーマンにインタビューします。 今回は、政府のスマートシティ政策立案を取りまとめる内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局 企画官の倉谷英和氏に、2021年に公募されたスーパーシティとスマートシティに関して、両者の位置づけ、目的、課題などを伺いました。
政府が描くスーパーシティとスマートシティの全体像
石野真吾氏(以下、敬称略):まずはスーパーシティとスマートシティの関係について教えてください。
倉谷英和氏(以下、敬称略):スーパーシティは、端的にいえばスマートシティの特別版といえます。その役割は、ショーケースとなる高度な先行事例を創出し、全国におけるスマートシティの展開を促すことです。規制緩和をともなう点で、スマートシティに国家戦略特区を組み合わせたものともいえます。
公表されている要件は以下の通りです。
- 以下の対象分野のうち概ね5分野以上に関わる
- 規制緩和をともなう
- データ連携基盤を整備
対象分野の例
- 移動:自動走行、データ活用による交通量管理・駐車管理、MaaS
- 物流:自動配送、ドローン配達
- 支払い:キャッシュレス
- 行政:パーソナルデータストア、ワンストップ窓口、API ガバメント
- 医療・介護:AI ホスピタル、データ活用、遠隔診療
- 教育:AI 活用、遠隔教育
- エネルギー・水:データ活用によるスマートシステム
- 環境・ゴミ:データ活用によるスマートシステム
- 防災:緊急時の自立エネルギー供給、防災システム
- 防犯・安全:ロボット監視
出所:https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/supercity/supercity.pdf
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スマートシティの対象は都市とは限りません。里山里海の豊かな自然と共生した地域づくり「スマートローカル」のような、地域の課題や資源に応じた多様な形があり得ます。とはいえ、地域の資源を活用して課題を解決するという本質はスーパーシティも同じと考えています。
石野:政府としてはどのような未来像を描いているのでしょうか。
倉谷:キーワードは、SDGsやSociety 5.0です。政府はこれらの実現を目指しており、特にスマートシティはこのSociety5.0のショーケースになるべきものと考えています。
政府の基本政策「科学技術・イノベーション基本計画」では、2025年に100程度の都市・地域での実装を目指すという目標を掲げています。テーマは、交通、農林水産業、防災、環境、インフラ、セキュリティ、地域活性化、都市整備、健康、物流など、幅広い分野にわたります。社会とデータをつなげる取り組みを全国に広げるために、各分野の先行事例を「スマートシティガイドブック」にまとめております。
出所:https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg6/20210423/pdf/shiryou1-1.pdfを一部改変
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