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アクセンチュア、最新調査「Accenture Business Futures 2021」を発表

 アクセンチュアは、企業が変化に対応するための6つのシグナルを定義した最新調査「Accenture Business Futures 2021」 を発表した。

[公開日]

[著] BizZine編集部

[タグ] 企業戦略 VR サプライチェーン パーパス サステナビリティ

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 アクセンチュアで実施した最新調査「Accenture Business Futures 2021」(以下、「Business Futures 2021」)において、88%の企業は現在直面している課題を明確に把握しているものの、将来のディスラプションを予測し、それらに対応する能力を十分に備えていると回答した企業はわずか6%であることが明らかになった。「Business Futures 2021」は、企業が直面している新たな現実を正しく理解し、今後の成功に向けてリーダーが把握すべきビジネス変化のシグナルを特定。

 顧客体験の重要性、クラウドの浸透や購買パターンなど、世界的なパンデミックはさまざまな要素を変化させ、加速させてきた。同時に、新たなサプライチェーンやビジネスモデルが数ヶ月から数日単位で構築されるなど、新たな科学的進歩が数年ではなく数ヶ月単位で訪れている。1年以上続く世界的かつ大規模な変化によって、その動向と影響を正しく把握したいという企業の願望が強まり、ビジネス環境を再構築するための機会が到来したという。

ビジネスの未来に備えるための6つのシグナル

 アクセンチュアは、クラウドソースで集められた400のトレンドを基に、社外のアドバイザー、学識者や研究者と協力し、ビジネスの変化を示す25のシグナルを絞り込んだ。25のシグナルは、すべてが今後3年以内に、企業に非常に大きな影響を与えると考えられ、急速な変革の時代が到来したことを示している。さらにアクセンチュアでは、これら25のシグナルの中でも、すべての企業が未来の成長に向けて極めて重要となる6つのシグナルを特定。これら6つのシグナルは、リーダーが直ちに変化を受け入れ、成長するための新たな方法を見つける機会と動機を与えるもの。

1:未来から学ぶ – 変化を事前に察知する

 企業が将来の成長に向けてビジネスを根本から見直す際、過去のデータに焦点を当てて予測という従来の方法はもはや通用しない。正しい意思決定を行うために、多くの企業は新たなデータを取得し、アナリティクスや人工知能(AI)を活用して、市場や消費者行動の変化を把握し、ターゲットを定めて対応する。本調査では77%の企業が、過去1年間で社内外のリアルタイムデータを収集し活用範囲を拡大していると回答。一方で、従業員が日々の業務でリアルタイムデータを利用していると回答した企業はわずか38%だった。さらに、リアルタイムデータの収集と活用の責任者を据えていると回答した企業は36%に過ぎず、また、この取り組みを推進するための十分なスキルを持つ従業員を擁していると答えた企業は43%であった。

2:最前線への権限移譲 – 意思決定の分散化

 世界的なパンデミックにより、独自のガバナンスや経済モデル、文化的規範を持つ地域が現れ、かつてないほど市場が細分化された。同時に、消費者の行動も急速に変化しており、進化する消費者のニーズに応える新たな競争相手も出現している。企業は最前線の従業員に意思決定の権限を委譲し、迅速かつ俊敏な行動を可能とするチームを構成し、それぞれをネットワーク化させている。これによって、日常業務でのほとんどの意思決定を最前線に委ねることで、本社機能は戦略的に重要な意思決定に集中できるようになる。今回の調査では、91%の企業がますます細分化が進むビジネス環境に対応するために、より広範な企業連合体のような組織運営を望んでおり、また、58%の企業は今後1年間でビジネスモデルを変更すると回答している。

3:サステナビリティとパーパス経営の両立 – 目的志向から目的遂行への移行

 企業は、すべてのステークホルダーに価値をもたらすパーパス(企業の存在意義)を定義する必要性を認識しているが、現状はパーパスと成果のギャップが拡大している。この現象は、サステナビリティの実践を事業に組み込み、すべてのステークホルダーに利益をもたらすことにコミットメントを掲げる企業が直面する課題。本調査によると、28%の経営幹部は、すべてのステークホルダーに価値を提供することに個人的にはコミットしないと回答しており、48%は最大の課題の一つとして、商業的利益のバランスを取ることであると回答。しかし、利益だけでなく、同時にサステナビリティ目標の達成も重視する方向に向かいつつある。業績目標を達成するために、ESG(環境・社会・ガバナンス)活動への投資削減を検討すると答えた経営層はわずか24%だった。

4:制約を受けない供給 – サプライチェーンの物理的限界を打破

 世界的なパンデミックの影響を受け、企業は商品の流通を維持するために自社のサプライチェーン能力を限界にまで拡張してきた。そして今、企業はスピード、柔軟性、コスト効率やサステナビリティなどを維持しながら、注文から納品にいたるまでの一連の消費者の期待に応えるために、サプライチェーンの物理的な限界を打破し、需要が高い地域に生産拠点を移し始めている。本調査では、92%の企業がマイクロ・フルフィルメント・センター(MFC)を増やしているか、または増やす予定があると回答し、96%の企業が地域別のサプライチェーンを構築している、または構築する予定があると回答。すべてのステークホルダーへの価値とのバランスを取ることが重視されており、80%の企業が過去1年間でサステナビリティに関する消費者の期待が大幅に高まったと回答している。

5:「リアル・バーチャリティ」 – 現実と空間を再定義

 仮想環境が浸透するにつれ、現実(リアル)と仮想(バーチャル)の2つの世界が存在することとなった。これによって、人々の現実感と空間に対する感覚が曖昧になり、結果として今までとは違った生活や働き方への欲求、新たな消費やコミュニケーション方法が生まれている。パンデミックによって対面での交流が制限されたことで、新規参入企業は仮想世界を強化するための仮想技術に投資している。本調査では、88%の企業が仮想環境を構築するためのテクノロジーに投資しており、そのうちの91%の企業がさらなる投資を計画。現在の仮想現実(VR)テクノロジーは、主に人間の視覚や聴覚に刺激を与えるが、今後はより現実感が増し、人間の五感を刺激し、身体との結びつきが強まると予想される。

6:新たな科学的手法 – サイエンス企業への転身

 世界的なパンデミックによって、科学的なイノベーションが重視されるようになり、科学は企業の優先事項の一つとなっている。過去10年間でほとんどの企業がデジタル企業へと進化を遂げしたが、今後10年間で、すべての企業がサイエンス企業となり、科学を応用し、世界の根本的な課題に取り組む必要がある。企業はイノベーション創出に向けてサイエンスを用いるアプローチを強化することで、革新的な可能性をもたらす。今回の調査では、83%の企業がイノベーション創出においてサイエンス的なアプローチを取り入れることで将来的な成功につながると考えており、82%の企業は未来の成功のために従来の事業領域を超えてサイエンスへの投資が不可欠であると回答している。