このレポートは、2006年から2014年までの各年において未公開ベンチャー企業(IPO企業の上場前を含む)の資金調達状況を調査しまとめたもの。
これによると、2008年以降下降線をたどっていた未公開企業の資金調達額は、2013年ようやく増加に転じ、2014年は1,000億円を超えた。1,000億円を超える規模は2008年以来6年ぶり。
また、1社あたりの資金調達額(中央値)は、2014年は7,250万円となり、2009~2012年の2,000万円、2013年の4,000万円からさらに続伸した。
2007年には、新興株式市場に上場する企業において相次いで不祥事が発生し、さらに、2008年のリーマンショックが追い打ちをかけ、2009年以降は長い低迷の時期であったが、1社あたりの資金調達額(中央値)はようやく2006年の規模を上回り回復したという。
これは、2013年後半から資金調達金額の大型化が顕著になったことも影響している。業種別では、IT関連が引き続き増加する一方で、バイオ・医療・ヘルスケア、および環境・クリーンテックは減少傾向にある。
2013年は、バイオ・医療・ヘルスケア、環境・クリーンテックを対象とするファンドの設立が大幅に増加したが2014年の投資活動に大きな変化は見られなかった。
発表では、2014年の未公開ベンチャー企業の資金調達状況のポイントを次のようにまとめている。
- ・2014年の資金調達額は1,154億円。昨年の1.58倍、6年振りに1,000億円を超える。
- ・1社あたりの資金調達額(中央値)は7,250万円。前年の4,000万円から1.8倍の増加。
- ・資金調達を行った企業数は減少傾向だが、2013年後半から資金調達額の大型化が顕著。
- ・設立1年未満の社数割合は減少、一方で1年以降の割合が増大し、1年以上5年未満が35%を占める。
- ・インターネットをビジネスモデルとする企業の割合は80%を超え、調達額も増大し72%となる。
- ・2013年に続き海外で活躍する日本ベンチャー企業の資金調達の割合は8%を占める高水準。
- ・資金調達の大型化により、10億円以上資金を調達した企業は前年比1.56倍の25社。(2012年7社、2013年16社)
- ・VC投資状況ではCVC、外資VCが健闘。上位31社中CVCは 6社、外資VCは7社。