博報堂、Hakuhodo DY ONE、Paykeの3社は、インバウンド市場の成長を牽引するため、戦略的アライアンスを締結した。また、旅マエから旅アトまでを網羅する「統合インバウンドマーケティングソリューション」の提供を開始する。
各社の強みと役割
- Payke:「いつ、どこで、何に興味を持ったか」がわかる店頭でのリアル行動データをリアルタイムに取得するプラットフォームアプリを運営。アライアンスの根幹となる「ファーストパーティデータの提供」を担う。
- 博報堂:Paykeが保有する訪日客のリアル行動データに博報堂DYグループが保有する購買データなどの生活者データを掛け合わせ、AIを活用した統合データの分析を行う。インバウンド需要の取り込みを目指す企業や自治体ごとに異なる課題を分析し、インサイトを抽出。訪日客の旅マエ・旅ナカ・旅アトをフルファネルで捉えた、統合的なマーケティング施策の企画・設計・全体ディレクションを担う。
- Hakuhodo DY ONE:クロスボーダーマーケティング専門組織「i CROSS BORDER JAPAN」が博報堂の全体設計と連携し、旅マエ・旅ナカ・旅アトの各フェーズで訪日客向けのメディア戦略や広告配信、販促施策、CRM施策の運用を行う。Paykeが保有するデータとHakuhodoDY ONEの保有する膨大なデータを組み合わせ、独自のオーディエンスデータとして活用することも検討。
今後の展開
AIによるデータ解析・学習を通じた初期フェーズにおける具体的な協業内容として、次のことを検討している。
- 統合型インバウンドDMPの構築:Paykeのリアル行動データと博報堂DYグループの生活者データなどを統合。旅マエ・旅ナカ・旅アトの行動を分断なく捉え、高精度なターゲティング広告や効果測定を実現する。
- インバウンド消費の深層分析:Paykeのスキャンデータ(興味)と購買データなどを統合し、「スキャンしたが買わなかった」といった機会損失の理由までを可視化。
- インバウンド向けリテールメディアの立ち上げ:主要リテール店内のサイネージなどをネットワーク化。購買の瞬間に最も近い顧客接点となる新たな「リテールメディア」を立ち上げる。
- 広域周遊・地域活性化ソリューション:同アライアンスのデータ基盤をAIで解析。自治体や広域連携DMOなどが抱える観光客の誘致や周遊促進といった地域課題を解決。
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