「知る」ではなく、「実践」のためのリサーチへ
もう一つ、文化人類学者がリサーチに関わるときの“変わった特徴”を挙げるとすれば、それは「知るためのリサーチ」ではなく「実践としてのリサーチ」という姿勢でプロジェクトを捉え、実際に参画することです。
依頼されたリサーチを依頼どおりに行い、その結果を納品して終わりというのが一般的なリサーチ会社の仕事ですが、当社ではリサーチ結果を出して終わりではなく、その後工程、すなわちリサーチ結果を生かした組織開発・事業開発を進めるプロセスにも関与するケースが非常に多い。私はこれを、フィールドワークを通して人々や場に埋め込まれた知見を獲得していくプロセスといわば対を成す活動だと捉えています。