増加し続けるCVC投資
「JAPAN CVC Survey」は、CVCコミュニティ「FIRST CVC」を運営するFIRST CVC株式会社と一橋大学イノベーション研究センターが共同で実施する、日本最大級の事業会社・CVC調査だ。2023年度は、127社が調査項目に回答。各社の売上分布やファンド予算、業種は多岐にわたり、一橋大学イノベーション研究センターの青島矢一教授は、「調査対象のバランスがうまく取れたサーベイになった」と評した。
次に青島氏は、調査結果の概要について報告した。調査対象の各社による、2023年の投資件数は、合計616件。2018年から2022年までの件数を鑑みると、ここ数年は着実に増加傾向であることが読み取れる。
投資に取り組む目的としては、戦略リターンと財務リターンの双方を狙う「ハイブリッド」の割合が最も高くなる中、今後の投資見込みは、すべての目的で投資を計画通りに行う、あるいは増加させるという回答が8割以上を占めた。
青島氏は、投資年数や投資件数、リターン、組織的な支援体制など、6つの基準において高い評価を得た上位20%の回答企業を「リーディングCVC」と規定し、その他の「一般CVC」や「ビギナーCVC」と比較することで、成果を出すCVCのあり方を分析していくと説明した。
FIRST CVC株式会社 代表取締役の山田一慶氏は、この講演では、来場者に対する事前アンケートで関心度が高かった4つのテーマを取り上げると発表。投資活動に従事する5名から話を聞いた。