オリンパスは、医療分野における戦略的な方針を発表した。
本方針では、オリンパスが力を発揮できる診療分野・疾患領域を明確にし、対象疾患の診療水準を向上させることを目標として掲げ、さらなる成長と収益性の向上を目指すという。消化器科、泌尿器科、呼吸器科の領域における慢性疾患へのソリューション提供に注力するとともに、患者の一連の診療プロセス向上を目指し、次世代技術への投資も積極的に行っていくとしている。発表した方針は以下のとおり。
最大限の価値提供が期待できる疾患領域に注力
「消化器科」「泌尿器科」「呼吸器科」の3つの診療領域の疾患に注力。大腸がん、前立腺肥大症(BPH)、尿路結石やその他の泌尿器系疾患、肺がんなどの疾患に対してソリューションが提供できると考えているという。また、医療分野におけるその他の領域も引き続き重要な事業領域であり、顧客のニーズに応える製品・ソリューションを提供しながら、目標値である年平均5~6%以上の売上成長および20%を超える営業利益率の達成に向け、今後もこれらの領域において収益性の向上を目指すとしている。
診療水準の向上に貢献する新技術への投資
シングルユース内視鏡の導入による内視鏡製品のラインアップ最適化、コンピューターによる診断支援技術やクラウドサービス、内視鏡医療全体のワークフロー改善などを統合したソリューションの提供、およびエンドルミナル治療(口や肛門などの管腔から内視鏡を挿入して、より低侵襲で病変を治療する技術)などの技術開発を目指すという。
グローバル競争力の強化
研究開発体制の強化、メディカル&サイエンティフィックアフェアーズ機能の強化による、臨床に関する知見の拡大、品質保証・法規制対応機能の組織やプロセスの一元化を図るとしている。また、M&Aについても今回の方針の基で引き続き推進。グローバルな事業開発機能に加え、アーリーステージの企業への投資により、次世代のイノベーション技術の育成・支援を目的としたコーポレート・ベンチャー・キャピタルも設立したという。
同社はこれらの方針により、経営戦略で掲げている営業利益率20%超、年率5~6%の売上高成長率達成と、その先の持続的な成長に向けて取り組みを行っていくとしている。