なぜ「売上高」が変化しているのか、その要因を探る
商品の売上高が急に減少した場合、その減少の要因を探ることが「売上データ分析」となります。「要因」とは、ある事象(売上高の増加・減少など)に影響を与えるものと定義されます。売上高の減少にはいろいろな要因が考えられますが、その要因の変化と売上高の変化になんらかの法則性があるかを見つけることが重要な作業となります。ここで注意が必要なのが、第1回で解説した「相関関係と因果関係」です。売上高の増減と要因の変化に相関関係があっても、その要因が売上高の変化の原因とは限らないのです。つまり「原因は結果の前に存在する」という原則から、要因と原因を区分します。
「外部要因」と「内部要因」を区分する
売上高の変化の要因を探っているときに、混同されて分析されるのが、外部要因と内部要因です。「外部要因」とは、自社ではコントロールすることができない要因で、顧客数、ライバル会社、業界、自然環境変化等です。それに対して、「内部要因」は自社でコントロールできる要因で、広告、新商品開発、価格、販売促進等です。多くの製品、商品、サービスの売上高は外部要因によって、大きく変化します。外部要因はコントロールすることはできませんが、ある程度将来の変化を捉えることはできますので、将来起こりうる外部要因の変化を理解し、売上拡大に繋がる内部要因をコントロールして売上高を拡大してゆきます。例えば、ターゲットとしている市場が毎年毎年縮小するような場合、どの位縮小するかが分かっていれば、価格の見直し、新商品開発、新規事業の拡大で売上高の拡大戦略を策定することができます。