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事業開発者が目指すべき「温度ある経済の環」

食料の安全保障問題へ切り込む「国連食料システムサミット」で見えた“数字”と“心”を両立させる事業開発

第5回

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 本シリーズでは「温度ある経済の環」をテーマに、様々な事例と共に、その具体的なポイントを紹介してきました。今回は、グローバルでの取り組み例として、2021年の「国連食料システムサミット」と、そこで扱うテーマを議論するワーキンググループ「Food System Game Changer Lab(FSGCL)」を取り上げます。私も実際に参加したFSGCLでは、現在の食料システムに関する問題とその解決策について議論を通じて、「温度ある経済の環」を実現するための第一歩が見えてきました。

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完全オンラインで開催された「国連食料システムサミット」

 2021年9月に国連本部で開催されたサミットにて、「国連食料システムサミット(UN Food System Summit、UNFSS)」として新たに「食」に関するトピックが議論されたことが大きな話題となりました。UNFSSは、アントニオ・グテーレス国連事務総長が、SDGs達成のためには“食に関する行動”を根本的に変え、世界80億人に安定して食料を届ける“食料システム”そのものを見直すことが急務だと宣言したことをきっかけに立ち上がったものです。

 では、なぜグテーレス氏はそのような宣言をしたのでしょうか。その背景には、SDGs社会の実現に向けた筆頭課題とされている「気候変動」について、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)が発表した、温室効果ガスの50%以上が人間のもたらす“食”に関する行動に由来するという調査結果があります。

 食料システムの改善に注目が集まる中、私は、UNFSSで議論するテーマを抽出するワーキンググループ「Food System Game Changer Lab(FSGCL)」に参画しました。

 FSGCLとは、世界の食に関する課題を解決する提言(案)をとりまとめてUNFSSに提出することを目的に2021年に開催されたアクセラレータープログラムです。米国・ロックフェラー財団、米国のデザインファームIDEO社のほか、米国を代表する食品・農業に関するNPO法人などで構成される運営委員会を中心に3ヵ月間にわたって議論し、有用な施策に関する提言をとりまとめました。

プログラム運営の協力パートナー
プログラム運営の協力パートナー
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 コロナ禍のサミットということで、世界中の政治家や有識者が集まる形式でのサミットは開催できません。そこで国連は、誰でも・どこからでも参加できるオンラインの強みを活かし、世界中から意見をすくいあげ、それをもとに課題解決の施策を迅速に動かすことを目指します。この“オープンイノベーション”ともいえる国連の考えを背景に、FSGCLも世界中からアイデアを集めるプログラムが組成されました。

 結果的に、全世界120ヵ国から1,000件以上のアイデアが集まり、その中から選抜したものを24の検討グループが議論していきます。様々なイノベーション経験を有するIDEOにより選抜された検討グループの参加者には、米国・スタンフォード大学工学部の現役学生や、スウェーデンを代表する食品の加工および容器包装ソリューション企業であるテトラパックの社員、60代の大学の研究者など、年齢、職業、役職、地域、国籍などあらゆる面で多種多様なメンバーが参画していました。

FSGCLプログラム推進のステップ
FSGCLプログラム推進のステップ
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この記事の著者

三木 言葉(ミキ コトバ)

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