NTTデータ、オムロンヘルスケア、三井不動産、リンクアンドコミュニケーションは、がん患者向けのバイタルデータ管理サービス「Health Data Bank for Medical」と、食事管理サービス「カロママ プラス」を提供開始した。なお、提供対象は三井ガーデンホテル柏の葉パークサイドに滞在のがん患者で、同ホテルは国立がん研究センター東病院（以下、NCC東病院）の敷地内に立地し、がん患者と家族を24時間サポートする滞在環境を提供している。

　同サービスは、柏の葉スマートシティに関わる生活者の豊かな暮らしを支えるサービスを紹介するポータルサイト「スマートライフパス柏の葉」で提供。将来的には、患者の同意のもと事業間でのデータ連携を可能とするプラットフォーム「Dot to Dot」を利用することで得られたデータやノウハウを、新たな患者向けのサービス開発に活用することで、連続的な価値創造を目指すとしている。

　サービスの特徴は以下のとおり。

バイタルデータ管理「Health Data Bank for Medical」

　宿泊する患者に、体温計、血圧計、体重体組成計、パルスオキシメータなどの医療デバイスを貸与し、患者自らが計測データをスマートフォンアプリで保存・管理・閲覧できるサービス。医療デバイスは、計測データを無線通信でスマートフォンに転送できる「OMRON connect」対応機器を使用する。また、運動、睡眠、脈拍などのデータを管理できるウエアラブルデバイスによって、日々の健康データの記録が可能。チェックアウト後も、患者自身でデバイスを用意することで、帰宅後も継続してアプリによる計測データの保存・管理・閲覧できるという。

　また、利用者の同意があれば、蓄積したバイタルデータなどを、治療を行うNCC東病院の医療関係者が閲覧できるとし、これにより医療関係者は病院外での患者の状況を適切に把握できるという。また、蓄積した複数のバイタルデータから、病院やホテルの業務効率化や診療の質の向上に向けた検証、将来的には在宅診療の実証にも活用する予定だとしている。

患者向け食事管理機能「カロママ プラス」

　食事・運動・睡眠などの情報をもとに、パーソナルAIコーチ「カロママ」が実用的なアドバイスをする健康管理アプリ「カロママ プラス」内に、がん患者向けのコース「食事療養コース」を開発。抗がん剤の副作用やがん種、毎日の体調をアンケート形式で入力することで、適切な食事アドバイスを受けることができ、水分摂取の記録や運動コンテンツの閲覧も可能だという。

　なお、同ホテルの開業とともに、リンクアンドコミュニケーション、NCC東病院、三井不動産の三者で同コースに関する共同研究を開始する予定だという。この研究は、NCC東病院の担当部署の栄養管理室およびリハビリテーション科が共同で取り組むとしている。