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横河電機が挑戦する“業界全体の変革に貢献するDX”──なぜ社内外「2つのDX」を同時推進するのか?

Biz/Zine Day 2022 SummerレポートVol.6

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 BtoBのモノづくり企業である横河電機は、大正4年の創設より事業を拡大し続け、107年目となる2022年には、世界でも有数のグローバル電機メーカーとして知られるようになった。そんな老舗製造業も、DX時代を生き残るために変革を行わなければならない。同社が目指すのは、社内のDXを推進し、そこで得た経験やノウハウをもとに既存のサービスと新たなOT/ITソリューションを融合すること。つまり、新たなDX支援サービスを社外に提供することで、製造業界全体の変革を支えていこうというのである。  7月13日に開催された「Biz/Zine Day 2022 Summer」のクロージングセッションに登壇した横河電機株式会社 常務執行役員(CIO) デジタル戦略本部長 兼 デジタルソリューション本部 DXプラットフォームセンター長の舩生 幸宏氏は、同社の社内外「2つのDX」を牽引している。現在、横河電機のDXはどこまで進んでいるのか。また、その先にどういった将来像を見据えているのか、同氏が自ら語った。

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従来の製造業から、OT/ITが統合された「ワールドクラスのソリューション・サービスカンパニー」へ

 横河電機は、戦前・戦時中は航空計器、電気計器の生産などを主な事業とし、戦後は工業計器など制御事業で規模を拡大。そして1985年以降は医療機器や半導体テスタの生産、さらにはそれらの海外展開など、主にプロセス制御システムを中心とするOT(Operational Technology)領域で事業規模を拡大してきた。現在は国内に10社、海外に104社の関係会社を抱えており、海外での売上高が全体の約70%を占めている。世界でも有数のグローバル電機メーカーだ。

 そんな横河電機が近年注力しているのが、OT領域と、IoTセンサーやエッジ・ソリューションなどといったIT領域を融合した「IT/OTコンバージェンス」を実現し、主な顧客である製造業のDXを支援していくことである。そのためには、横河電機自身が自社のOT領域でDXを推進し、業界へ先行事例を示すこと、およびユーザーのDXを支援することを、同時に行っていかなければならない。

「横河電機が目指す姿、それは『System of Systems(SOS)インテグレーター』です。OTとITの融合をはじめ、近年はこれまで独立していたシステム同士が連携し、大きな複合システムとなって、単独では実現できない目的をシステム全体として達成するSOSの流れが加速しています。弊社は、製造業DXのゴールともいえる自律(Industrial Autonomy)の適応レベルを高める『IA2IA(Industrial Automation to Industrial Autonomy)』、そしてプラントやエンタープライズ、サプライチェーンなどあらゆる領域へ全体最適の対象を広げる『Smart Manufacturing』の2つのアプローチで、統合化・自律化・デジタル化による価値を創出していきます」
(舩生 幸宏氏〈以下、舩生氏〉)

[画像クリックで拡大表示]

 舩生氏が本部長を務める横河電機のデジタル戦略本部は、「横河グループが、従来の製造業からOT/ITが統合されたワールドクラスのソリューション・サービスカンパニーに変革することに貢献する」をミッションに掲げている。そして、その実現に向け同社は、成長基盤を確立するための社内DX「Internal DX」と、デジタル活用による顧客への新たな価値提供を目的とする「External DX」の2つのDXを同時に推進しているという。

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この記事の著者

名須川 楓太(Biz/Zine編集部)(ナスカワ フウタ)

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