三井住友海上火災保険と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙関連事業の創出を目指す「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」の枠組みのもと、7月より「宇宙旅行保険事業」に関する共創活動を開始した。
現在、宇宙旅行を目的とした保険は本格的に運用されていないが、様々な手段での宇宙旅行が実現または提案されているという。両者は、そのニーズに即した宇宙旅行保険が求められているとし、「宇宙旅行保険の商品開発」および「宇宙旅行マーケット拡大支援」に関する共創活動を行い、「宇宙旅行保険」を創出・普及。宇宙旅行に安心を加え、経済圏の拡大に貢献するとしている。
共創活動の概要は以下のとおり。
- 宇宙旅行保険の商品開発:宇宙旅行には、高度約100kmを目指す小旅行、地球を周回する数日の旅行など、さまざまな種類がある。それらの実現を目指す事業者とともに、それぞれのニーズおよびリスクを踏まえた最適な宇宙旅行保険の開発に関する共創活動を行う
- 宇宙旅行マーケット拡大支援:宇宙港や有人宇宙機の開発企業、旅行代理店を始めとする宇宙旅行関連事業に参画する企業と連携。気軽に安心して宇宙に行ける時代に必要なマーケットの拡大を支援し貢献する
三井住友海上火災保険は、2015年から宇宙保険担当駐在員を海外拠点に常駐させ、スパークス・グループが設立した「宇宙フロンティアファンド」への出資や、月面着陸船のリスクを補償する月保険の開発など、宇宙分野への参画を行ってきた。同共創活動では、JAXAから提供を受けた情報や、関連企業からのニーズを踏まえ、宇宙旅行に係るリスクを把握し、最適な保険を設計するという。
JAXAは、有人宇宙活動での実績を基に、訓練中から打上げ時、ISSでの滞在、帰還のサイクルで生じ得る事象や想定すべき事項に関する情報を提供。同共創活動を通じ、リスクの把握や定量的評価方法に関する知見を獲得し、有人宇宙滞在に活かすとしている。