グーグルがハードから研究開発を進める理由
寺部:量子コンピュータにはまだまだ課題があるという中で、グーグルやアマゾン、マイクロソフトやIBM、インテルといった企業が争うように開発を進めています。特にグーグルがハードも研究していることに驚いたのですが、なぜハードの研究開発にも力を入れているのでしょうか。
村上:グーグルは物理実装することで初めて見えてくる“課題”を重視しています。グーグルの自動運転技術も現在ではシステム開発を中心に行っていますが、2014には自社で開発したプロトタイプを公開しています。また、スマートフォンも「Android」というOSだけでなく、「Google Pixel」というハードも作っていますよね。この思想は昔からあったようで、1999年に初めてのサーバーを自作しています。その後データセンターはデルに発注するようになるのですが、最初に自作していたことで、自分たち主導で仕様書を作ることができたそうです。