パナソニックホールディングスは、AIの開発・運用・利活用において遵守すべき「パナソニックグループのAI倫理原則」を策定した。
同社は、近年AIの不適切使用による、差別の助長、プライバシーの侵害、安全性への不安などのAI倫理上の課題に対し、顧客にAI製品やサービスを信頼して使用してもらえるよう責任あるAI活用を実践するために、グループ全体で遵守すべきAI倫理原則を定めたという。
また、このAI倫理原則をパナソニックグループ全体で実践していくために、AI倫理委員会を設置。開発現場でのAI倫理リスクチェックや、グループ全従業員を対象としたAI倫理教育を推進するとしている。
同社が発表した倫理原則の概要は以下のとおり(初版 2022年8月29日)。
1.「より良いくらしとより良い社会」を実現すること
私たちは、AI製品やサービスがお客様個人や社会や環境に与える影響を事前に考慮し、お客様のくらし、および社会・環境がより良くなると見込まれる場合にそれらをお客様のもとにお届けします。AI製品やサービスをお届けした後も、お客様のくらし、および社会・環境に与える影響を評価し続け、その結果を製品とサービスに反映させます。
2. 安全のための設計、開発、検証を行うこと
私たちは、AI製品とサービスの安全を第一に考えます。安全確保のための技術開発を行い、技術的知見を吸収し、それらを設計に反映させます。お客様にお届けした後も、安全確保のための必要な対応を行います。
3. 人権と公平性を尊重すること
私たちは、AI製品やサービスをお届けするにあたり、人々の多様性を尊重し、差別をはじめとする不公正な影響が生じないよう努めます。
このためにパナソニックグループ社員に対して必要な教育を実施してまいります。
4. 透明性と説明責任を重視すること
私たちは、お客様や関係する皆様に対してAIの動作に関して透明性を重視しAIの技術開発と設計を行います。またAI製品やサービスがもたらすと思われる影響について、お客様の求めに応じて情報提供いたします。
5. お客様のプライバシーを保護すること
私たちは、関連法規およびパナソニックにおける関連社内規程に従い、お客様のプライバシーを尊重し、お預かりした情報について適切かつ安全に管理します。
なお、AI倫理原則は、AIの発展や社会の変化に合わせて改定していくという。