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デロイト トーマツ、企業の不正リスク調査白書 最新版を発表 組織風土や社内の認識ギャップなどに懸念

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 デロイト トーマツ グループは、「企業の不正リスク調査白書Japan Fraud Survey 2022-2024」を発表した。

 調査の概要は以下のとおり。

  • 調査主体:デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー
  • 調査期間:2022年5月~7月
  • 調査方法:Web+紙アンケート方式。上場企業・非上場企業から無作為抽出で、一定数の企業に電子メールで回答用サイトを案内、または郵送で調査票を発送(回答件数:476件)

 今回の調査では、不正類型を大きく「品質不正・データ偽装」「会計不正」「法令違反」の3つに分け、加えてコロナ禍で増加傾向にある「サイバー攻撃」についても、予防・早期発見・発覚後対応の時間軸を意識した設問を用意したとしている。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響や近時のトピック(コーポレートガバナンス・コードの改訂、改正個人情報保護法、改正公益通報者保護法)を広く調査対象にしつつ、普遍的な課題である組織風土も含めることで、日本企業の不正の実態を多面的に捉えているという。

 加えて、実務家や識者のインタビュー記事も充実させ、読者が自社の取り組みを他社と比較しながら、具体的かつ多角的な観点から再検討できるよう工夫を施していると述べている。

2020年に比べ不正発生はやや減少、今後はリモート環境継続や政情不安に伴う不正リスクの高まりを懸念

 過去3年間に何らかの不正・不祥事が発生した企業は52%となり、前回調査の54%に続き50%を超えている。若干減少しているものの、コロナ禍のリモートワーク環境下での内部通報の微減などからも、不正・不祥事が発覚しづらい状況が影響していると推察している。

 一方、足元の減少に反して、今後の不正リスクが「高まる」と予想する企業は64%と、前回から5%増加。特にリモート環境への変化・継続を背景に、サイバー攻撃や情報漏洩の増加を予想する企業は約6割に達している。また、会計不正の発生予測も3割程度あり、コロナ終息に伴い不正が発覚する可能性の高まりや、ロシア・ウクライナ情勢による政情不安の広がり、資源不足・物価高騰などに起因する業績悪化などから、不正や不祥事のリスクが懸念されているという。

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不正・不祥事の原因として指摘される組織風土

 品質不正やデータ偽装の原因として、品質よりも納期や業績を優先する組織風土を挙げた企業が半数以上となった。不正・不祥事を予防し、あるいは早期発見して対応するための組織風土上の課題としては、「問題の共有を一部の関係者に留める」(42%)や「他部門との横連携が希薄」(40%)など、社内における情報共有の在り方を挙げる企業も多く存在。また、「内向き、忖度の傾向がある」(45%)や「考え方の多様性が乏しい」(49%)など、コロナ以前から抱える組織風土上の課題も確認された。

 一方、多くの企業で組織風土改善の施策が社内研修や方針の提示にとどまっており、決定打にかけ、悩んでいる様子もうかがえるとしている。

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不正・不祥事対策を担う部門の人材不足、外部専門家やツールの活用不足

 品質検査や内部統制、組織風土改革推進といった、不正・不祥事対策を担う部門の人材不足を嘆く企業の割合が、共通して過半数を占める結果となった。加えて、関連する調査やリカバリープラン、トレーニングといった不正・不祥事への取り組みを実施していない企業も多かったという。外部専門家やツールの活用は、人材不足を補う手段として高い関心を集める一方、多くの企業では実態把握や研修教育などの、比較的軽度な業務での活用に留まっている。

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経営者の認識や社内の知識・認識ギャップが経営資源の配分対応不足の要因

 不正・不祥事対応への経営資源の配分は、経営者の認識や社内の知識・認識ギャップが重要な決定要因であることを示唆する回答もあり、総じてトップダウンによる推進の必要性が示されたという。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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