Helpfeelは、問い合わせ削減を目指す地方銀行の課題解決を目指し、FAQ構築のためのデータと運用ノウハウを地方銀行間で共有する「地方銀行向けHelpfeel共通プラットフォーム」を2022年内に提供開始すると発表した。
また、同プラットフォームの提供開始に先立ち、独自アルゴリズム「意図予測検索」を搭載した検索型FAQシステム「Helpfeel」を導入し、FAQの検索ログや辞書データなどを共有する「Helpfeel地方銀行パートナー」を募集するとしている。
「地方銀行向けHelpfeel共通プラットフォーム」設立の背景
1. コロナ禍で、非対面での問い合わせ負担が増加
非対面での問い合わせニーズが高まったことにより、コールセンターの問い合わせ対応スタッフの負担が増加。特に銀行のようなインフラサービスでは、対面で問い合わせしづらくなったとしても、質問そのものが減ることはほとんどない。最終的に、疑問解決のためコールセンターに電話するというユーザーが増加しているという。
2. 一般ユーザーに馴染みの薄い銀行専門用語
銀行では「印鑑」のことを「届出印」と呼ぶなど、一般ユーザーには馴染みのない専門用語が多く存在する。そのため、従来のFAQシステムでは専門用語を知らないユーザーが検索してもヒットしないことが多く、疑問を解決することが困難であったという。
3. 多種多様な商品・サービスと膨大な情報コンテンツ
金融機関は複雑で多彩な商品・サービスを展開しており、本来はそれらの情報へユーザーを導く必要がある。しかし、FAQの検索ヒット率が低く、適切な回答を見つけられないと、ユーザーはFAQやサービスサイトから離脱してしまう懸念があるという。FAQ検索によってユーザーが必要なコンテンツに到達できることで、問い合わせ削減とともに顧客満足度の向上が期待できるとしている。
地方銀行向けHelpfeel共通プラットフォームは、参加する地方銀行間で、FAQに関するデータや地方銀行用にチューニングされたFAQコンテンツを共有できる環境を構築するものだという。
なお、同プラットフォーム内で共有するデータは、ユーザーの検索ログなど、FAQシステム構築に関する汎用的なデータのみだとしている。顧客情報や個別の銀行に関する情報は含まれないため、安心して情報を共有できると述べている。
「地方銀行向けHelpfeel共通プラットフォーム」の3つの特徴
1. 地方銀行特有のFAQテンプレートを提供する「銀行共通FAQ」
銀行で提供されるFAQには、一定の分類(残高照会・住所変更・相続など)がある。同プラットフォームでは各銀行のFAQをベースに、随時最適なテンプレートを用意。プラットフォームに参加した銀行は、このテンプレートをもとに各行に合わせてカスタマイズしながらコンテンツを拡充させていくことで、 充実したFAQが提供できるほか、スピーディにHelpfeelを活用できるという。
2. 金融機関特有の専門用語に対応し、質問を予測する「銀行共通辞書」
Helpfeelでは、ユーザーが用いるさまざまな言葉をあらかじめ準備した「意図表現」の辞書を作成。一つの回答に対して、質問の予測パターンを50倍以上に拡張するという。同プラットフォームでは、同社が独自に提供する「銀行向け共通辞書」によって、銀行の顧客が使う典型的な言葉のゆらぎに対応し、高い検索性を発揮できるとしている。
3. 他行の検索データと比較してFAQの課題を発見・解決する「銀行アセスメント」
Helpfeelは、FAQページヘのアクセス状況、検索利用率、検索ヒット率、離脱割合などの指標を分析する伴走支援サービスを提供。同プラットフォームに参画する地方銀行は、これらの指標について参加銀行間の平均値を確認できる。これにより、他行と比較した場合の現状把握や課題の抽出、課題解決に向けた優先順位付けが可能になるとしている。加えて、運用後はベンチマークの数値を利用したレポートを提供し、課題に対して他行のベストプラクティスを知ることで、効果的に数値の改善施策を実行できるという。