IBMとBosch(ボッシュ)は、量子コンピューティングの戦略的取り組みにおいて提携することを発表した。
この取り組みの一環として、ボッシュはIBM Quantum Networkにも参加予定だという。両社の専門家は共同で、材料科学分野における量子コンピューティングの適用の可能性について調査するとしている。
ボッシュはエレクトロモビリティの分野でビジネスを展開しており、新材料の発見と設計において、量子コンピューターが従来のコンピューターよりも利点をもたらす可能性のある、具体的な応用例に取り組むと述べている。
新材料は、エネルギー効率の向上と天然資源の消費を削減させるために重要だが、燃料電池、バッテリー、電気エンジン、高度センサーに関連する機能材料のほとんどには、強い電子間の相互作用が含まれており、従来のコンピューターではこれらの材料の特性を十分な精度で計算できなかったという。両社は共同で、この分野の産業利用のために堅牢で強力な量子アルゴリズムを開発するとしている。
なお、この共同研究は、量子コンピューター上で産業関連材料の計算材料設計を可能にするアルゴリズムと、ワークフローの基礎の構築からすでに開始されており、期待できる初期の成果があがっているという。
今後は、開発時間やコストの削減、新しい材料群の発見を可能にする方法について研究予定。たとえば、燃料電池のペロブスカイト型の相安定性図の改善、感知のため欠陥エンジニアリングの強化、現実的な触媒と反応率、予測可能な磁気特性が将来的に実現する可能性があるとしている。