状況に応じた判断―パターンとして言語化する意義
—「状況に応じた判断」をパターンとして言語化して共有する意義は何なのでしょうか。
建築でもソフトウェアでもそれ以外の分野でも、よいものができたときには、「これはよいものだね」と評価されることはあっても、それが「どのような判断が織り合わさってできたものなのか」は、あまり問われることはありません。プロセスに目が向いたとしても、そこで重要な役割を担った人物や仕組み、環境についての分析がほとんどです。
パターン・ランゲージが注目するのは、「状況に応じた判断」そのものです。どのような「状況に応じた判断」が織り合わさって、そのよいデザインが可能となったのか。そのことに迫り、個々の「状況に応じた判断」に「名前」をつけていくのです。