横河電機は、OpreX Realtime OS-based Machine Controllers(e-RT3)のオプションサービスとして、装置を制御するエッジコントローラ上で自律制御AI(強化学習AI、アルゴリズムFactorial Kernel Dynamic Policy Programming)を活用できるサービスを開始した。このサービスは、制御箇所に応じて、パッケージあるいは導入支援のコンサルティング、トレーニングプログラムを提供するもの。パッケージに関しては国内および海外において、コンサルティングサービス、トレーニングプログラムについては国内から順次海外に提供していくという。
特長
- AIの高度な専門知識なしに、顧客側で制御モデルを生成してコントローラに組み込めるよう、使いやすさを追求している
- 既存の設備を活かしながら部分的にエッジコントローラを後付けすることで自律制御AIが適用できる
- 制御周期は0.01秒から対応しており、高速性が求められる装置の制御にも対応可能
自律制御AIの導入メリット
- 手動制御しかできなかった箇所の自律化:PIDやAPCが組めなかった制御箇所に対して自律制御AIを適用させることで、自律化と最適制御を同時に実現できる。外乱に左右されにくい安定した制御が可能となっている。
- オーバーシュートを抑制:制御対象ごとに効果は異なるが、設定値を上回ってしまうオーバーシュートという状態を抑える。たとえば、オーバーシュートの不要な加熱などによるヒーターへの負荷を低減するため、装置の寿命を延ばすことなどが見込まれるという。
- 整定時間を大幅に短縮:PID制御に比べ、整定時間を大幅に短くするため、省エネと生産性の向上に貢献する。
- 相反する複雑な条件を満たすことも可能:制御箇所によりますが、例えば品質を維持しながらエネルギーの使用量を削減するといったような複雑な条件を満たすことも可能となる。
主な市場
- 資源・エネルギー(石油、化学、天然ガス、電力、再生可能エネルギーなど)
- 素材(繊維、紙パルプ、塗料など)
- エレクトロニクス機器(半導体製造装置など)
- 食品・農業
- 製薬
- 上下水道 など
用途
- 温度、圧力、水位/流量制御など