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NTTデータ、バチカン教皇庁図書館とのWeb3支援プロジェクトを踏まえ国内外にプラットフォーム展開へ

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 NTTデータは、バチカン教皇庁図書館(以下、バチカン図書館)とともに実施した「バチカン図書館×Web3支援プロジェクト」を踏まえ、2023年度よりプラットフォームに改良を加えた上で、国内および海外に向けて展開を進めると発表した。

 同プロジェクトは、2月20日~3月31日の期間で行っている、デジタルコンテンツとNFTを組み合わせた文化活動支援の実証実験結果に基づくもので、コンテンツホルダーとその支援者の新たなコミュニティ構築を実現。実証実験では、オンライン上でバチカン図書館への支援者を募集し、その支援活動に対する返礼品をNFT・ブロックチェーン技術を用いて提供する仕組みを公開して、20,000人を超える利用者が閲覧したという。

 実証実験の結果として、NTTデータは文化機関とその支援者のコミュニティを、Web3技術を用いてオンライン上で拡張していく可能性を検証し、同プラットフォームの技術面・運用面での実現性と、集客などの事業性を確認したと述べている。

 今後は実証実験の結果を踏まえ、バチカン図書館をはじめとする世界各地のクライアントと協力し、文化遺産の保全に貢献するとともに、各国各機関とその支援者の新たなコミュニティ構築に貢献していくという。

「バチカン図書館×Web3支援プロジェクト」の概要

 Web3技術によって、希少なコンテンツを有する文化機関であるバチカン図書館と、その支援者の新たなコミュニティを形成するプロジェクト。

 支援者はWebサイト上から支援の申し込みを行い、支援活動(プロジェクトの情報をSNSでシェアすることによる認知拡大)を行うことで、バチカン図書館への支援を証明するNFTを得られる。そのNFTを所有することにより、Webサイト上で、バチカン図書館が保有する文化遺産15点の特別なコンテンツである高精細画像と、同プロジェクトのために作成されたそれらの文化遺産の解説文を閲覧できるという仕組みを構築し、ユーザーとバチカン図書館との新たな「つながり」を作る試みを行ったとしている。

 同社は、NFTという証明書によってデジタルアセットを活用したマネタイズが一時的に実現するのではなく、展開していくにつれそのNFTによる証明書を活用し、新しいコミュニティ形成が可能になると述べている。はじめは1対1の線のつながりだったものが、展開するにしたがって面のつながりになっていくことが、Web3コミュニティプラットフォームの目指す形だと考えているという。

 2023年度は、プラットフォームに改良を加えて本格開発を進め、国内外に向けて展開を進めるとしている。

 実証実験においては、SNS投稿による認知拡大を支援活動とし、支援者と文化機関とのコミュニティ形成を行ったが、これを文化機関への寄付といった、別の形の支援活動を起点としたコミュニティ形成へと発展させていくという。これにより、デジタルアセットを活用したマネタイズの仕組みの可能性を広げることを目指すと述べている。

 支援者への返礼品については、機関が保有するデジタルアセットとしてのデータをより活用できる方法を実現。実証実験では、文化資産の高精細画像とその解説文を返礼コンテンツとしたが、例えば2DデータのみでなくXR空間での3Dデータ展示といった、新たな方法でのデジタルコンテンツの見せ方を検討していくという。

実証実験の結果

  • 実施期間:2023年2月20日~3月31日(申込受付期間は3月20日まで)
  • 対象:日本国内
  • 方法:SNS投稿による認知拡大を支援活動とし、支援者と文化機関とのコミュニティ形成を行う
  • 検証項目:Web3コミュニティープラットフォームの技術面・運用面での実現性および事業性
  • 支援ウェブサイト閲覧ユーザー数:20,000名以上
  • 支援参加者数:419名

※2023/3/22時点の支援ウェブサイト閲覧ユーザー数及び支援参加者数

得られた成果
  • 同プラットフォームの構築、および運用、体制に関して、技術面・運用面での実現性を検証
  • 支援者を募集し実際に参加してもらったことから、本事業の集客効果、およびそのターゲットについて検証
今後の課題
  • 本サービスの登録手順や必要となるウォレットの作成におけるユーザービリティ改善
  • Web3/NFT技術の特性を生かしたコミュニティー拡大の取り組みの推進

 NTTデータは、今回の実証実験の結果を踏まえ、Web3技術を用いたサービスの改良、および本格開発を進めるという。

 国内・海外を問わず、美術館・博物館・図書館といった文化・芸術分野において同プラットフォームを展開し、将来的には官公庁・自治体・教育・エンタメなど、他領域にも展開していくことも視野に入れていくとしている。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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