富士フイルムと神戸大学は、AI技術を活用して腹部の造影CT画像から膵臓がんが疑われる所見の検出を支援する技術を共同で開発した。
この技術では、膵臓がんの直接所見である腫瘤のみならず、間接所見である膵萎縮・膵管拡張・膵管狭窄などを検出。この技術を活用して医師の負担を軽減することで、より精度の高い診断につながることが期待できるという。
この研究を通じて両者は、今回確立した造影CT画像から膵臓がんが疑われる所見を検出する技術を応用し、一般的な検診や人間ドックで撮影される非造影CT画像からも同様に膵臓がんが疑われる所見を検出するAI技術の開発を進めていく。さらに将来的には、膵臓がんが発生する前段階で見られる膵臓の腫大や萎縮などの軽微な形状変化を検出し、膵臓がんに罹患するリスクの高さを評価する技術の開発にも取り組むという。これらの技術で潜在的な膵臓がん患者を拾い上げ、早期治療による予後の改善と膵臓がん患者のQOL向上を目指すとしている。