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デザインを通じたリサーチから紐解く、人に求められる役割──ゆめみ本村氏が語る、生成AI時代のデザイン

登壇者:株式会社ゆめみ 執行役員/シニアサービスデザイナー 本村章氏

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 2024年10月30日、「データとデザインによる両利きの経営」をテーマにしたイベント「Biz/Zine Day 2024 Autumn」が開催された。本記事では、同イベントで行われたセッション「デザインリサーチの“デザイン”をAIでエンハンスする」の模様をお届けする。生成AI時代にデザインのあり方はどのように変化し、その変化に私たちどのように対応すべきなのか。デザインとリサーチの関係を手がかりに読み解いていった。登壇者は、株式会社ゆめみ執行役員/シニアサービスデザイナーであり、立命館大学デザイン研究センター客員研究員の本村章氏。

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デザインとは何か、デザインとリサーチの四象限とは

 「デザインリサーチの“デザイン”をAIでエンハンスする」と題する本セッションに登壇したのは本村章氏。本村氏は、デジタルサービス・モバイルアプリの開発、内製化支援サービスなどを提供するゆめみの執行役員/シニアサービスデザイナーであり、人間中心設計の専門家として専門機構「HCD-Net」から認定を受けている。

 セッションの冒頭、本村氏は、大林寛氏と中村将大氏によるプロジェクト「デザインのよみかた」の活動記録をまとめたのWebサイト[1]を参照した。そこにはデザイン史家のジョン・ヘスケット氏によるデザインの定義に関する、やや謎めいた「デザインの意味」が論じられていた。

「『デザインとはデザインを作るためにデザインをデザインすること』です。同語反復で意味が取りにいくいのですが、デザインの意味は、この言葉に端的にまとめられていると私は考えています」(本村氏)

 上記の言葉には「デザイン」というフレーズが4回登場する。本村氏によれば、それらは一つひとつ指し示す意味が異なるのだという。

 それぞれの意味を補うと「デザイン(分野)とはデザイン(制作物)を作るためにデザイン(企画)をデザイン(行為)すること」となると本村氏は説明した。つまり、一般に「デザイン」と呼ばれる活動は、ある制作物を作るために企画を立て、その企画を実現するために行為することの全体を指し示すのだ。

画像を説明するテキストなくても可
資料提供:株式会社ゆめみ 本村章氏/クリックすると拡大します

 さらに、本村氏は、デザインと不可分な関係の「リサーチ」についても言及した。デザインを実践するうえでは、その方向性や手法を定めるためにリサーチが必要になる。また、その逆に適切にリサーチを行うには、デザインのアプローチでリサーチの対象やプロセスを見極めるのが有効だ。

 そして、両者の関係の性質は、理論的か実践的か、また科学的か実証的かによって分類が可能だという。本村氏は、デザインとリサーチの関係を「理論的/実践的」「科学的/実証的」の二つの軸による四象限で整理した論文[2]を参照し、本セッションでは「実践的かつ実証的」に位置する「デザインを通じたリサーチ」に焦点を当てたいと話した。

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資料提供:株式会社ゆめみ 本村章氏/クリックすると拡大します

 「デザインを通じたリサーチ」とは、デザインの制作とリサーチの行為を相互に繰り返しながら価値を創出する活動を指す。

「デザインによって新たな問いが生まれ、その問い対する仮説を立てるためにリサーチをし、さらにその仮説を検証するためにデザインをする。この循環が『デザインを通じたリサーチ』です。明確な答えがない状況で、不確実性を乗りこなしながら、新たな価値を構築していくことが、この活動の特徴といえます」(本村氏)

 そして、本村氏はこの活動に生成AIの登場が大きな影響を及ぼしており、私たちのデザインへの関わり方にも変化をもたらしていると訴える。

画像を説明するテキストなくても可
株式会社ゆめみ執行役員/シニアサービスデザイナー 本村章氏

[1]大林寛、中村将大「デザインという言葉を整理しよう」(2018年2月15日、デザインのよみかた #1)

[2]Trygve Faste, H. Faste「DEMYSTIFYING “ DESIGN RESEARCH ” : DESIGN IS NOT RESEARCH , RESEARCH IS DESIGN」(2012)

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デザインを通じたリサーチのプロセス

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この記事の著者

島袋 龍太(シマブクロ リュウタ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社ゆめみ

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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