富士通は、人々の行動をデジタルツイン上に再現することで、行動の変化を予測し、施策の効果や影響を事前に検証可能とするデジタルリハーサル技術を開発。英国でシェアードモビリティ事業を展開するBerylの協力のもと、英国ワイト島におけるシェアードeスクーターサービスの運用を改善する施策の導出を目指し、4月1日より同技術を適用した実証実験を開始した。
行動経済学とAIを組み合わせたデジタルリハーサル技術は、利益よりも損失を過大評価するといった人の行動における非合理性に加え、天候などの間接的な影響要因も含む実世界の人の行動に近いモデルをAIで生成。実際の都市を再現したデジタルツインと融合させることで、天候や周辺環境などの条件変化や施策による人の行動変化を予測し、検証できるという。
実証実験では、ワイト島の各所に設置するシェアードeスクーター数の変更や、使用料の割引などの施策による人々の移動手段の選択の変化により、例えば車からeスクーターに乗り換えることによる地域のCO2排出量削減や移動者の利便性における効果、サービス運用コストへの影響などをデジタルリハーサル技術で事前検証する。
同実証実験を通じて、Berylの事業への貢献や、車の使用による環境や社会への悪影響の低減などを通じたワイト島の交通政策や経済全体への貢献を目指すという。
富士通は今後、同実証実験で得られた知見をもとに、モビリティサービス事業者のサステナビリティ・トランスフォーメーションを支援するとしている。