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製造業DXとESG経営の第一歩──現場改善で終わらない「トップダウン」でのデータ活用推進アプローチ

Biz/Zine Day 2023 Summerレポート:京セラコミュニケーションシステム谷口直樹氏

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 製造業界のDX推進では、ERPからIoTプラットフォームまで各種最新システムの導入や、取得した膨大な製造データを経営に活かすための取り組みが進められている。また、近年は製造現場での働き方やエンゲージメント向上、GHG排出量削減などといったサステナビリティの推進も求められている。素材・部品の製造からシステムサービス提供まで多様な事業を展開する京セラグループでも様々な施策が進められており、その牽引役を担うのが京セラコミュニケーションシステムだ。2023年7月5日に開催された「Biz/Zine Day 2023 Summer」では、同社のICT事業本部で副本部長を務める谷口直樹氏が、自社での経験やこれまで見てきた事例をもとに、製造業のDX推進を取り巻く課題と突破のアプローチについて語った。

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製造業界を取り巻く課題は山積 DXの障壁にも

 日本の製造業を取り巻く環境は、年々厳しくなるばかりだ。「精緻な見積もりの迅速化」「原価低減」などといった従来からの経営課題に加え、市場や国内、産業界の変化・動向によって新しい課題も増えつつある。

 たとえば、団塊世代の大量リタイアにより後期高齢者が急増する「2025年問題」に伴う技術伝承の問題や、2030年以降の人口減少による労働力不足および採用難など。こうした問題は対応が急がれるものも多く、解決策として、ICTのさらなる利活用やDXへの期待が集まっている。

 谷口直樹氏(以下、谷口氏)は、「これまでも製造業は改善活動を繰り返し、品質向上や原価低減などといった顧客の要望に柔軟かつ迅速に応えてきた。しかし、それらは人間力や経験、現場力などに頼ってきたところが大きい。今後は若年層の労働力が急激に減り、今までのような人材が確保できなくなる中で、匠の技や労働力への依存から脱却するためにもDX推進が不可欠である」と語る。

京セラコミュニケーションシステム株式会社 ICT事業本部 副本部長 谷口直樹氏
京セラコミュニケーションシステム株式会社 ICT事業本部 副本部長
谷口直樹氏

 また、これまではCSR的な活動の一環として捉えられてきた脱炭素やサステナビリティへの対応が、国や投資家、顧客など外部から本格的に求められるようになっており、今後はESGが経営の根幹となることは間違いない。

 たとえば産業界では、サプライチェーン全体での脱炭素化が求められている。今後は「取引先が脱炭素の基準を満たしているか」など、より厳しい条件が課せられるだろう。それに伴い、企業のGX(グリーントランスフォーメーション)が加速することが予想される。谷口氏は、「製品やサービスで市場競争力を高めていくことは当然ながら、脱炭素をはじめとするサステナビリティも企業活動の土台となることが明白。短期的な収益だけでなく、より事業の継続性を見据えた経営・DXが求められる」と強調した。

 システム面においても課題は尽きない。大企業では、「物理プロセス層」「操作・センシング層」「監視制御層」「実行管理層」「経営計画層」のレイヤーごとに基幹システムが“継ぎはぎ状態”になっていることが多く、それらのネットワークが分断されていることも少なくない。そのため、生産計画を立案する際には人手によって散らばった情報を集める必要があるし、そもそも計画立案に必要なデータがどこにも蓄積されていないという事態に陥っているケースが多いのだという。

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 また、現行の生産設備が老朽化しており、設備と連携して動く最新のツールやシステムを実装するのが難しい企業も多い。実際、国内企業で使われている50~80%近くの設備が、導入してから15年以上経過しているというデータもあり、古い設備の中でDXをどのように進めていくか、突破口が見つからない事例も多いようだ。

 こうした製造業界全体の課題を受け、谷口氏は「DX推進がなされているといっても、部分的推進にとどまっているケースが多いのではないか」と推測する。

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現場の業務改善やデジタル化で終わらせない

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:京セラコミュニケーションシステム株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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