富士通とIHIは、J-クレジット発行に向けた環境価値創出プロセス(CO2排出量などのデータ収集、検証、報告)を簡易化する「簡易創出基盤」の取り組みを、2023年6月より開始した。
両社はこれまで、IHIのIoT基盤「ILIPS」を通じて収集されたデータから算出したCO2削減量を環境価値としてトークン化し、富士通の「ConnectionChain」を活用して環境価値取引市場に流通させる「環境価値流通プラットフォーム」の実現に向けた共同事業プロジェクトを、2022年度より進めてきた。
環境価値流通プラットフォームに簡易創出基盤を追加することで、企業などの環境価値創出者がCO2削減量などの環境価値を、容易にJ-クレジット化できるようになるとのこと。併せて、J-クレジット取引へのデジタル技術の適用促進を図ることで、CO2排出量削減などの環境貢献に取り組む企業や団体(環境価値創出者)が創出した環境価値を、購入者がJ-クレジットとして取引できる、持続可能な価値連鎖モデルの構築を目指すとしている。
また両社は、簡易創出基盤を起点として製品カーボンフットプリントなどの多様な環境価値のデジタル検証にビジネスを拡張し、カーボンニュートラルの実現に向けて貢献していくという。
なお、同取り組みの一環として両社は、環境省の「令和5年度J-クレジット制度に係るデジタル技術活用に向けた調査検討委託業務」の実証事業の協力者として応募し採択され、2023年6月から2024年3月まで同事業に取り組むとしている。