清水建設は、土木工事の次世代型生産システム「Shimz Smart-Site Civil」の要素技術として、AIやIoTを活用して造成工事の施工管理を効率化するシステム「Shimz-Smart-Site Analyzer」を開発した。
同システムは、現場内で稼働するダンプトラックでの土砂の運搬量をデジタル上でリアルタイムに一括管理することにより、広大な敷地内の複数箇所で同時に行われる造成工事の施工管理を効率化するという。
具体的には、3DLiDARでダンプトラックに積載した土砂の有無を点群データで取得し、この情報をもとにAIで土砂の荷降ろし状態を判定。GNSSによるダンプトラックの位置情報を含めたこれらの情報をアマゾンのクラウドコンピューティングサービスであるAWSで統合・分析する。また、ダンプトラックごとの運土量や場内のエリアごとの運土の進捗率をリアルタイムに算出し、データ処理用PCを介してタブレットやモニターで視覚化。これにより、工事の進捗を遠隔地から1人ないしは少人数で一括管理できるようになるため、業務効率の向上や省人化を図ることが可能になるとしている。
清水建設は今後、同システムをダンプトラックだけでなく、様々な用途の建設機械への適用も視野に入れながら、デジタル技術を用いた施工管理の汎用性を高めていくことで、建設業のDX化につなげていくという。