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イノベーションを加速させる「知識の新結合」

第5回

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「知識」が持つ3つの特徴とは何か?

 「知識」の特徴の1つ目がどこへでも持ち運べるということ、2つ目が同時に使えるということ、3つ目が一定の蓄積によって初めて価値を発揮できるという点だ。

1:持ち運べる

 獲得した知識は自由に持ち運べる。それは、資金や土地、機械や製品といったものとは根本的に異なる特徴といえる。知識の移動コストは、知識を保有している人の移動コストのみでよい。その知識の形式化・言語化が可能であれば、IT技術の活用により移動コストはほぼゼロとなる。組織間はもちろん、組織や国という垣根を超えて世界中を自由に駆け巡ることができる。

2:同時利用が可能

 獲得した知識を周囲の人と共有すれば、同時に活用することができる。たとえば、生産性を高めるためのマネジメントツールがあったとして、3人1チームでも7人1チームでも、全員が同じ知識を共通言語に仕事をすることができる。

 一方、物の場合はそうはいかない。誰かがパソコンを使っていれば、そのパソコンを同時に誰かが使うことはできない。必ず2台用意する必要がある。ほとんどのものは物理的制約を受けるが、知識にはそのような制約が一切ない。

3:一定の蓄積が必要

 知識の価値発揮は、直線的ではなく曲線的に起こる (図表1)。知識と対比される直線的なものとして、会議の資料を人数分ホッチキスで止めるような単純作業がある。1分で10部用意できるとすれば、2分で20部できる。点線のグラフAが示す通り、着実に成果がでる。

単純作業と知識結合の違い図表1.単純作業と知識結合の違い

 一方の知識は違う。初期段階では、結合できる要素が少ないため、すぐに成果がでない。しかし、蓄積量が一定量を超えると、結合パターン数が急増する。グラフBのように成果が出てくる。

 イノベーションも同様だ。毎日の取り組みが、目に見える形になってすぐに表れることはない。地道に取り組む中で、ある日突然、爆発的な成長をして成果を生み出す。

 以上のような特徴を持つ「知識」ではあるが、実際はどのように獲得・蓄積するのであろうか。大きく分けて2つの経路がある。1つが「組織内」、もう1つが「組織外」だ。

次のページ
「知識」は主にどから入手・蓄積が可能なのか?

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この記事の著者

柏野 尊徳(カシノ タカノリ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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