ガートナージャパンは、「日本におけるコネクテッド・インダストリ・テクノロジのハイプ・サイクル:2023年」を発表した。
コネクテッド・インダストリは、すべての産業が相互につながる、新しいビジネス基盤だという。同社は、様々な産業や公共サービスは、すべてのリソースが相互につながることで新たな価値を生み出し続けるコネクテッド・インダストリへと進化し始めていると述べている。
同社のディレクター アナリスト 山本琢磨氏は次のように述べている。
「あらゆるものがつながって実現するコネクテッド・インダストリへの転換は重要なトレンドです。この取り組みによって、企業は現実の世界のデジタル化や分析だけでなく、より的確な予測やその予測に即した行動をとることができるようになります。また、コネクテッド・インダストリへの取り組みは、ドローン、ロボット、車両などの自動化をはじめとするテクノロジ・イノベーションを促進させ、さまざまな産業のスマート化に貢献します」
同ハイプ・サイクルでは、すべての産業や公共サービスが相互につながる世界の実現に寄与する40の重要なテクノロジやキーワードを取り上げているという(図1)。
具体的には、以下のようなテクノロジやキーワードを取り上げている。
- 様々な環境のスマート化(例:次世代型スマート・シティ、次世代型スマート・マニュファクチャリング)
- IoT(モノのインターネット)やエッジ・コンピューティング(例:MEC向けエッジ・クラウド、デジタル・ツイン、エッジAI)
- 自律処理を実現するデバイス(例:シングルボード・エッジ・コンピュータ、次世代ドローン)
- ワイヤレス通信テクノロジ(例:Wi-Fi 6、5G)
- 新しいデータ処理技術や方式(例:意思決定インテリジェンス、イベント・ストリーム・プロセシング)
- 産業の現場におけるテクノロジやソリューション(例:自動運転トラック、移動型仕分けロボット・システム)
同社のバイス プレジデント アナリスト 池田武史氏は、次のように述べている。
「Gartnerが2023年4月に、コネクテッド・インダストリを構成する代表的なテクノロジ(※)に対する、国内のユーザー企業の関心度を調査したところ、すべてがつながるデジタル・トランスフォーメーションを支えるテクノロジへの注目は高く、70%以上の企業が、IoT関連技術、センシング、エッジ・コンピューティング、AI/ML(機械学習)、ワイヤレス通信などに関心を持っていると回答しました。人材不足の課題はあるものの、製造業、流通、運輸/倉庫、金融、医療、教育、公共サービスなどでは取り組みが進んでいます。今後、新しいネットワーク技術やAIの利用動向によっては、企業におけるコネクテッド・インダストリ関連技術の重要性がさらに高まり、テクノロジの進化も加速するとみられます」
※代表的なテクノロジの例:IoTプラットフォーム、セキュリティ対策、センシング、AI/ML、5G、エッジ・コンピューティング、ロボット/ドローン、デジタル・ツイン、人流動の可視化