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トップランナーに聞くDX最前線

日本郵船のDX推進を牽引してきたMTI鈴木氏に聞く、CDOとDX組織、次代を担う人材育成

第5回 ゲスト:MTI 鈴木英樹氏(後編)

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 日本のトップランナーたちの話から、DXの未来を示す本連載。ゲストは「IT Japan Award 2019」「DXグランプリ2023」でともにグランプリを受賞した日本郵船を牽引する鈴木英樹氏(MTI代表取締役社長)。後編は、DXに必要な人材、経営について伺いました。聞き手はSansan株式会社デジタル戦略統括室 室長/一般社団法人CDO Club Japan 事務局マネージャーの柿崎充氏です。

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イノベーションにつながる“3つのステップ”

柿崎充氏(以下、柿崎):前編では日本郵船のDXについて、創業時から続くチャレンジの文化や鈴木さんによるルール作りの取り組みを伺いました。後編では、DX推進についてより踏み込んで伺っていきます。MTIは日本郵船だけにとどまらず、海運業界全体のDXすらも担っているように感じますが、どのような組織なのでしょうか。

鈴木英樹氏(以下、鈴木):日本郵船のデジタル部門にも通じるのですが、スキルを見える化し、年功序列ではなくスキルに沿った人事体系を目指しています。我々の組織は、デジタルだけでなくあらゆる“専門性”が大切で、そしてその最前線が“現場”です。マネジメント層は現場を管理するのではなく、任せる役目です。最も大切なのは、トップが現場をよく知っており、そして現場を信じて任せることです。

柿崎:「任せる」は重要なキーワードだと思います。様々な企業のCDOやCIOと話す機会がありますが、「新しい取り組みに対してとにかくROIが求められるためなかなか進まない」という声をよく耳にします。

鈴木:ROIはあくまでも“仮説”なので、長々と議論する必要はないはずですよね。ただ一方で、仕事が進まないことを人のせいにするのはよくないとも思います。上の顔色をうかがうのではなく、自分の権限の範囲で判断し、進めていけばいいのではないでしょうか。CDOやCIOは求められる成果や与えられた権限があり、それを分解するとマネージャーやメンバーがやるべきことが見えてくるはずです。上の人間の仕事は一人ひとりのリーダーシップを引き出すことだと考えています。私はMTIのメンバーを信じており、権限委譲して細かい仕事には口出ししないようにしています。

柿崎:私もそうあるべきだと思います。

鈴木:私たちの組織には、「レスワールド」「ワナワールド」「ニューワールド」という3ステップのコンセプトがあります。

 最初は、ブルシット・ジョブ(どうでもいい仕事)をやめる「レスワールド」です。不要な仕事をとことん削減すると、本当にやらなくてはいけない仕事だけが残ります。すると、やりたかった仕事ができる「ワナワールド」に至ります。やりたいことに取り組んでいると、やがてイノベーションにつながり、「ニューワールド」が見えてくるというわけです。

株式会社MTI 代表取締役社長 鈴木英樹氏
株式会社MTI 代表取締役社長 鈴木英樹氏

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この記事の著者

佐藤 友美(サトウ ユミ)

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