執筆者情報
楠本 和矢
(クスモト カズヤ)
HR Design Lab. 代表 兼 博報堂コンサルティング 執行役員「マーケティングとHR領域の融合」をテーマに、現場での実践に基づいた様々なHRソリューションを開発提供している。現在は、組織の創発力強化・生産性向上を目的とした取組みに注力。また博報堂グループ内での実績No.1ビジネス研修講師でもある。直近3年で、300回以上の企業内研修やセミナー、講演等を実施し、平均満足度は98%を超える。「一人一人の知恵や経験が存分に引き出され活用されている社会をつくること」が自身のミッション。
著書)
「TRIGGER 人を動かす行動経済学(仮称)」(2020年11月予定)
「会議の生産性を高める 実践 パワーファシリテーション」(2019年)
「人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント」(2017年)
「サービス・ブランディング」(共著:2008年)
Twitter:@kzyksmt
執筆記事一覧
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行動経済学をビジネス実務に落とし込む
行動経済学の理論をマーケティング施策に応用して購入・継続まで導く(第4回)
本連載では、マーケティング戦略に活用可能な、行動経済学の各理論をベースに、マーケティング施策アイデアを創発するための「5つのカテゴリー」と、それに紐付く「26の切り口」についてご紹介しています。「切り口」とは、マーケティング施策への落とし込みを視野に入れた中で、行動経済学の理論として転用可能なものを選定し、できるだけわかりやすい表現にまとめています。 前回は行動経済学の理論を、マーケティング施策に落とし込むための方法「26の切り口」の中から、「1.効率よく「好感認知」をつくる」「2.新たなニーズを創出する」という2つのカテゴリーに属する切り口の一部をご紹介しました。今回は「3.魅力的なものに見せる」「4.購入ストレスを低減する」「5.自然に継続させる」という3つのカテゴリーに属する切り口の一部をご紹介いたします。
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行動経済学をビジネス実務に落とし込む
行動経済学をマーケティングに落とし込む「切り口」──理論の応用で好感認知や新たなニーズを創出する(第3回)
連載も今回で第3回、いよいよここからが本論です。前回お伝えした、マーケティング戦略に活用可能な行動経済学の各理論をベースに、マーケティング施策アイデアを創発するための「5つのカテゴリー」と、それに紐付く「26の切り口」をまとめました。切り口に関しては、実際のマーケティング施策事例の収集分析も踏まえ、理論として転用可能なものを選定し、マーケティングの検討視点ごとにできるだけ直感的にわかりやすいものとしたつもりです。 また、これはすべてを網羅して検討するための「フレームワーク」ではありません。5つのカテゴリーにある切り口も、そのカテゴリータイトルで示す目的(例:「好感認知を作る」など)以外でも、解釈の仕方によって応用することもできます。あくまでマーケティング施策アイデアを創発するための「ツール」であるという前提でご活用頂ければと思います。
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行動経済学をビジネス実務に落とし込む
行動経済学の27の理論を実務家目線で整理する──全体像を掴む“4つのカテゴリー”(第2回)
前回は、最もホットなビジネス理論の一つである「行動経済学」についての基本的な概念のご紹介と、マーケティング戦略を補完するものとしての行動経済学の有用性についての見解を述べました。今回はさらに一歩踏み込み、行動経済学の各種理論を、マーケティングに使えるものをピックアップして整理していきます。行動経済学の教科書で紹介される分類とは異なる部分もありますが、皆さんがイメージしやすいよう実務家目線で分類している点ご了承下さい。
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行動経済学をビジネス実務に落とし込む
なぜ行動経済学はビジネスの実務で活かしきれないのか──マーケティングを補完する学問の“3つの課題”(第1回)
今、最もホットなビジネス理論の一つである「行動経済学」。2017年にリチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞したり、政府の新型コロナ対策に行動経済学者が任命されたりするなど、今もなお継続的に注目されています。しかしながら、その注目に反して、なぜかビジネスプラニングの表舞台に上がってくる機会は少ないと感じます。興味を抱き様々な関連書籍を購入するものの、難しい名前の理論に圧倒されてしまったり、事例を実務に“転用”する方法がわからなかったりし、活用を断念したという声もよく耳にします。 では、ビジネスへの転用を阻害する要因には何があるのでしょうか。行動経済学の様々な理論を、ビジネスやマーケティング領域に落とし込むための方法論とは何でしょうか。その手順論と、それに基づく様々な参考事例について、本連載では「実務家の視点」で伝えていきたいと思います。