大和ハウス工業とファンド運営子会社である大和ハウスベンチャーズが設立した大和ハウスグループ投資事業有限責任組合(以下、大和ハウスグループ“将来の夢”ファンド)は、2024年3月1日に本格運用を開始すると発表した。
大和ハウスグループ“将来の夢”ファンドでは、大和ハウスベンチャーズが運用者としてスタートアップに投資し、大和ハウスグループがスタートアップとの事業共創を目指すという。同ファンドの特徴は以下のとおり。
幅広い業種への投資を実現するための大規模な投資総額とファンドの複数組成
大和ハウスグループの展開する事業領域や、関連する新技術などの分野に投資するため、最大300億円の運用額を確保。また、目的に応じた幅広い業種への投資を実現するため、2本のサブファンドを設立するとともに、今後は国内外でのベンチャーコミュニティネットワークの構築のために、外部のベンチャーキャピタルファンドへの出資や海外に特化した自社運営ファンドの設立も検討しているという。
持続的な事業共創を実現するための長期の運用期間(2055年まで32年間)
中長期かつ持続的な事業共創を目指すため、ファンド運用期間を2055年までの32年間に設定。ファンドの設計には、回収した投資資金を再投資できる体制を採用した。そのため、投資したスタートアップが大きく成長した場合には、運用額が300億円を上回る可能性もあり、幅広い業種と持続的な事業共創を実現できるとしている。
同ファンドは、大和ハウスグループが保有する「顧客ネットワーク」「循環型バリューチェーン」「ビジネスモデル」とスタートアップの技術を掛け合わせることで、イノベーションを目指す。投資領域としては、ビッグデータ活用やDX技術を活用した自動化・効率化など6つの投資領域を設定したという。
また、目的に応じて専門の知識を持った担当者がスタートアップ投資できるよう、大和ハウスグループの周辺領域の技術やサービスに投資する「シナジーファンド」と、既存事業の枠にとらわれない投資を実行する「グロースファンド」の2本のサブファンドを組成。シナジーファンドでは、自社運営のファンドとして、大和ハウスグループの既存事業を強化するため、施工現場の効率化や従業員の提案力・生産性向上など付加価値の向上につながるスタートアップに投資するとしている。
グロースファンドでは、電通グループでベンチャーキャピタルファンドの運営などで実績を持つイグニション・ポイント ベンチャーパートナーズが運用する二人組合形式のファンドとして、商品やサービスに至る前の要素技術、ビジネスモデル検証期のスタートアップも投資対象として広げていくという。