「ベンチャーの雄」が挑み続ける熾烈な商戦
あまり知られていないが、日本とドイツは自動車原産国としてトップであるがゆえに、自動車市場の競争ルールが、極めて厳しい。日本にある自動車メーカーは普通の企業ではなく、世界企業の頂点である。彼らは世界に数兆円単位の販売網を展開し、世界トップクラスの人材集団を擁し、世界と戦ってきた。つまり、日本市場で自動車ビジネスを展開するということは、世界最強クラスの企業集団と商戦を戦い続ける、過酷な現実を意味するのである。
ガリバーも、その例外ではない。大メーカーが発動する販売政策は中古車市場に激震を及ぼし、その影響から免れることは出来ない。ガリバーはこういった最強クラスの企業と競争しながら結果を出してきたという意味で、「鍛えられている企業」の典型である。実際、ガリバーの繰り出してきた戦略的な施策には、昔から決定的なミスが無い。激しい商戦の経験を通じて、ダメだと見切れば早期に撤収してきたからだ。
逆の見方をするならば、ガリバーに安住の地はない。21世紀になっても尚「現状を否定する」という強い危機感の背後には、いつ業績が激変してもおかしくない、国内自動車市場における熾烈な商戦の存在がある。