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中古車販売首位ガリバー北島氏が語る、新規事業の「推進力」と「事業エコシステム」

第1回:ガリバーインターナショナル 社長室 北島 昇 氏

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 中古車販売首位で知られるガリバーだが、その地位に安穏としてはいられない。技術の変化に伴って変容を続ける自動車市場の環境変化に対応すべく、様々な新規事業/トライアルを継続している。ガリバーはこれからどこへ向かおうとしているのか、そして具体的に何を進めようと考えているのか。競争の激しい自動車市場で戦う、ガリバーインターナショナル 社長室 北島氏にお話を伺った。

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新規事業の推進力は、強い危機感

 ガリバーは車の流通/車に関する情報流通に以前から取り組んできた。しかし近年、更なる成長に対する強い危機感を感じており、過去数年にわたる逡巡と議論を経て、最終的には「現状の否定」にまで行きついているという。

 その強い危機感の背景には、現代の自動車産業を取り巻く環境の激変がある。自動車産業ではあらゆる業態、様々な領域にいる関連企業がみな“トータル・カーライフ”を掲げて相互に参入してくる。メーカーは中古車/整備市場にまで領域を拡大し、ヤフー/DeNA/カーセンサー/グーグルといったネット企業も自動車業界への影響力拡大に取り組んでいる。自動車のネット接続/自動運転/電気化といった技術変化も予想を超える早さで進展しつつあり、従来のビジネスの進め方ではこういった速い環境変化には追い付くことが出来ない。

 ガリバーの経営陣は速い環境変化に対する自社の位置取りを「現状の否定」という一見、過激にも見える理解において見直そうとしている。これは社内の急進派/新規事業部長が方便として口にしているのではなく、社長を含む上層部全体で共有された危機感だという。ガリバーは来る大きな環境変化に先手で対応するために、あえて「現状の外」に出ながら自らを変えようと考えているのである。これは“ゆでガエル”の弊害に20年悩まされている多くの日本企業と大きく異なる点だろう。ガリバーには今でも、ベンチャーを出自としたDNAが継承されているように見える。

「衣服のようにクルマと付き合う社会」を実現する

 ガリバーが目指す変革のビジョンは、「衣服のようにクルマと付き合う」というカジュアルなカーライフの実現にある。また、自らが車を生産する企業ではない以上、流通の目線を大事にしているという。
 具体的には気分に合わせて服を変えるようにクルマを気軽に売買したり、気分に応じてオープンカー/SUV/キャンピングカーを借り変えたり出来る社会。また、共通の筐体やOSであってもアプリやドレスアップで個性的に彩を変えるスマートフォンのように、車が個性的にパーソナライズされる「ファン(楽しむ)」の世界観を重視している。

HUNT de odekakeガリバーインターナショナルが展開する、おでかけをテーマにした新店舗「HUNT(ハント)

 ガリバーは実際、これまでも安さだけを重視したことはない。中古車のバリューを高値で買い取る方向で維持し、自動車のブランド価値/資産価値を高める方向でクルマ社会に貢献してきたという自負がある。自動車メーカーと補完しあう形でクルマを一層楽しむ方向の努力には多くの余地があると考えており、ひとつひとつを具体的な形にしている段階にある。

北島 昇ガリバーインターナショナル 社長室 北島 昇 氏
2007年にガリバーに入社。事業投資、デジタルマーケティング改革、コネクティッドカーサービス開発等幅広い業務に従事。その後、新規事業開発を担当し、「Drive+」「HUNT」などの新サービス開発を手がける。

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