東京商工リサーチは、「円安に関するアンケート」の調査結果を発表した。
5月末の「1ドル=156円前後」の円安水準について、経営に「マイナス」と回答した企業は54.4%であった。22年12月(1ドル=138円前後)に調査した47.4%から、7.0ポイント悪化した。
なお、「マイナス」は大企業が49.5%、中小企業が55.0%で5.5ポイント上回り、内需型産業を中心に影響が深刻化している。
また、百貨店や総合スーパーを含む「各種商品小売業」では、100%が「マイナス」と回答した。一方で、水運業の3割は「プラス」と回答するなど、業種による影響の差も広がっている。
企業が希望する為替レートについて、中央値は「1ドル=125円」だったが、24年度の想定為替レートの中央値は「1ドル=150円」、現状の為替レートは「1ドル=157円前後」と、大幅な乖離がある。
6月12日の米連邦公開市場委員会では、年内の利下げ回数の見通しが前回の3回から1回に引き下げられた。日米金利差の縮小も進まないなか、過度の円安が解消される時期は不透明で、引き続き円安が企業経営にもたらす影響が懸念されると同社は述べている。
調査概要
- 実施期間:24年6月3日〜10日
- 実施方法:インターネットによるアンケート調査
- 有効回答:5174社
- 企業規模の定義:資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義
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