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オラクルのセールスクラウドは「営業とマーケティングの壁」を埋めるか

最近、「マーケティング・オートメーション」などのマーケティング分野のIT化が注目を浴びてきた。しかしながら、マーケティングの部署とセールス(営業)の部署では、セールスリードの捉え方や、顧客に対するアプローチに溝があるとも言われてきた。従来のCRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)と、マーケティングオートメーションがうまく連携できていないなどの課題があった。 今回、日本オラクルが発表した、セールスクラウドの最新版は、そのギャップを埋めるものとの期待がもたれる。

[公開日]

[著] BizZine編集部

[タグ] マーケティング クラウドコンピューティング データテクノロジー

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日本オラクル株式会社専務執行役員クラウド・アプリケーション事業統括 下垣典弘氏

オラクルのクラウドアプリケーションを統括する下垣氏はこう語る。

「マーケティングだけが効率化できても、セールスの活動が弱ければ売上も収益もあがらない。当然ながらマーケティング・オートメーションとセールスフォース・オートメーション(SFA)の連携が必要。今、百貨店ではインバウンドで海外のお客様が多く日本に来て、買い物をしている。デジタルなエンゲージメントで、2020年以降、こういう方々が日本に来なくても買っていただけるようにすることができる。そのための手段をクラウドという形で提供する。」(下垣典弘氏)

「Oracle Sales Cloud」最新版の特徴について、セールスクラウドの統括本部長の大熊氏は「オラクルの強みは、業界別のベストプラクティス活用、顧客発掘から契約までのプロセスの合理化、予測や次のアクションに役立てる、基幹システムの連携と業務システムへの進化」だと語り、オラクルがこれまで買収してきた多くのIT企業の機能をポーティングしていることを明かした。

日本オラクル株式会社執行役員クラウド・アプリケーション事業統括 セールスクラウド統括本部長 大熊裕幸氏

大熊氏は主要機能として、以下の内容を紹介した。

  • 4つの業界別テンプレート

    •  ハイテク・製造、金融、消費財、通信において業界に特化した機能を提供。それぞれのテンプレートには、業界特有のデータ・モデルや画面、業務フロー、ルールが組み込まれている。業界特化の機能により、営業チームは業界特有の需要に対応することが可能。また、グローバルの業界標準のテンプレートを活用することで、実装工数の削減を図る。
  • 予測の精度を向上したアナリティクス機能

    • 「ホワイト・スペース分析」機能を活用することで、担当顧客ごと製品ごとの軸で、すでに、何がどこに売れている/売れていないという状況を画面上で分かりやすく表示し、どこがホワイト・スペースで、提案すべき製品が何かを推奨。過去の実績、見込み案件情報をもとに、同業種内での売上傾向や組み合わせ販売や追加販売の可能性を算定。担当顧客の企業規模も加味した上で、推奨製品と売上予測金額を営業担当者に直感的に判断できるよう提示。
  • 販売代理店管理機能

    • 社内だけでなく、販売代理店との売上予測と実行状況を可視化。販売代理店の新規案件登録から、見込み案件情報の連携、代理店向けの教育プログラムといった広範囲のプロセスを支援。販売代理店ごとのビジネス状況をリアルタイムに可視化することで、問題点や改善点を早期に発見。実施した過去のキャンペーン情報も確認でき、担当者が代わっても円滑にビジネスを継続していくことが可能。自社の代理店管理部門と販売代理店が、企業向けソーシャル・ネットワーク・サービス「Oracle Social Network」のセキュアなネットワークでチャットを活用したり、文書共有を行うなどコラボレーションを行うことで、販売代理店との連携を迅速化し、両者での顧客支援を強化することが可能。

CRMやSFAの分野は、すでに歴史も長く、「枯れた」印象を持たれがちだ。しかし、顧客リードの絞り込みや、ナーチャリングといった営業現場の直接的なニーズが高まっていることを考えれば、この分野の変革はむしろこれからとも言える。 セールスのIT化は、IT部門以外でも営業部門や業務改革などの部門からも今後注目されるだろう。

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