全世界の優れた事業データからアイデアを創出する
現在、世界中でスタートアップ投資、ベンチャー投資が盛んに行われている。ベンチャーキャピタル(VC)、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)、様々な専門家が投資対象となる事業の評価している。それぞれが事業性を綿密に評価しており、そしてその情報は販売されている。
Relicは、そういった資金調達が行われたスタートアップ・ベンチャーの事業データを100万件以上収集し、独自の分析を加えてデータベース化をしている。その情報の中から、クライアント企業の要件に適合したプロダクトを抽出・評価し、クライアント企業や日本市場に合わせて最適化し、独自のナレッジとデータを付与して、ベンチマークとして提案し、そこから新規事業を生み出す伴走をしていく。それが「IDEATION Cloud」というサービスである。有力な海外VCが「顧客」「課題」「解決策」という新規事業の3要素が揃っていると判断し、実際に投資している事業アイデアをベンチマークにするので、成功確度の高いアイデアのみに触れることになり、自社でゼロから考えるよりも短期間・ローコストで質の良いアイデアを多数生み出すことが可能になる。
たとえば、画像認識技術を使って新規事業を創りたいと考える企業があれば、画像認識技術をコアにした事業リストをこのデータベースから何百、何千件と拾ってくる。そこにたとえばシニア向けのヘルステック事業というマーケットのキーワードを掛け算して、どの国でどういったプレーヤーがどんな事業を仕掛け、どういった評価を受けているかも短期間で情報を取り出せるのだ。
IDEATION Cloudが活用しているデータを自社で収集することも可能ではないか、そう思うかもしれない。しかし、情報は英語で書かれていることがほとんどで、データベース構造もデータ提供事業者によって異なっている。情報は投資家向けであって企業向けのアイデア集ではない。どの国でどの会社が何に挑戦してどういった評価を受けているかを調べようとすれば、費用も手間もかかってしまうのだ。
市場調査レポートを使って事業アイデアを考える企業もあるだろう。しかし、レポートではたとえばヘルスケアの領域は何が注目を集めているか、子供向けの教育ではこういったプレーヤーが多いなど“ホットトピック”は確認できるが、あくまでもある領域に限定され、さらに事業案がせいぜい5事例ほどまとまったものが多い。網羅性に欠けるため使いにくいだろう。
ゼロからアイデアを作ろうとコンサルティングファームに依頼することもできる。しかし膨大な時間と費用は必要になる。
IDEATION Cloudでは、クライアント企業の注力市場における世界中のスタートアップを網羅的に分析し、クライアント企業に合ったアイデアとしてカスタマイズして短期間で提供する。方針が定まっていない状態から、新規事業の方針策定・市場/顧客分析・課題/解決策検討などの工程までを最短2ヵ月で完了できるという。
こういったことが可能なのは、Relicが事業企画、マーケッター、セールス、CSなどビジネス系職種の人材と、デザイナーやフロントエンドエンジニア、インフラエンジニア、ハードウェアが開発できるような技術者が半数ずつ在籍し、ビジネス・テクノロジー・クリエイティブといった新規事業を創る一通りの機能をインハウスで抱える企業だからだ。