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4割がCFOを配置 半数以上が「中期的経営戦略・経営計画」を策定・公表──タナベコンサルティング調査

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 タナベコンサルティングは、全国の企業経営者・役員・経営幹部・経営企画部責任者などを対象に、「2024年度 企業価値向上に向けた取り組みに関するアンケート」を実施した。

半数以上が「中期的経営戦略・経営計画」を策定

 52.7%が「中期的(3〜5年)な経営戦略や経営計画を策定し、社外に公表している」と回答した。中期的な経営戦略および計画策定は、経営の不確実性を下げるとともに透明性の向上につながり、企業価値向上に寄与する。

 また、33.9%の企業は「策定しているが、社外には公開していない」と回答しており、策定は内部での戦略実行に効果的であるものの、外部への情報発信も重要だという。

 なお、「策定していない」「今後も策定する予定はない」と回答した企業は合計13.5%であった。

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中期経営戦略を公表する企業の半数が「長期的な経営戦略」も公表

 「中期的な経営戦略を策定し、社外に公表している」企業のうち、54.1%が「長期的な経営戦略も策定し、社外に公表している」と回答。

 一方で、「中期的な経営戦略を策定しているが、社外には公開していない」企業では、長期計画を策定・公表している企業は1.6%にとどまった。

 中期的な経営戦略を公表している企業ほど、長期的な計画を公表している割合が多く、ステークホルダーとの情報の非対称性の解消を目指した透明性を高める努力を行っていることがうかがえる。

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約4割の企業がCFOを配置している

 財務戦略を主管するCFOが「社内に存在する」企業は40.3%であることがわかった。一方、11.3%の企業は「CFOがいるものの十分に機能していない」と回答。

 また、38.7%の企業は「いない/CFOを当面採用(育成)する予定はない」と回答している。

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企業価値向上には、CFOの存在とその適切な機能が不可欠

 CFOが存在し機能している企業は、CFOが存在しない企業と比べて「投資回収期間法」(42.7%)、「投下資本利益率(ROIC)」(32.0%)、「内部収益率(IRR)」(24.0%)を重視している結果になった。

 このことから、CFOが存在する企業では、資本効率や収益性を重視した投資判断が行われており、財務戦略の整備が進んでいることがわかる。

 一方で、CFOが存在しない企業は「投資判断基準が存在しない」(32.2%)という回答が多く、統一された投資判断基準が欠如していることで、投資判断の一貫性や精度に課題があると考えられる。

 したがって、企業価値向上には、CFOの存在とその適切な機能が不可欠であると同社は述べている。

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企業価値向上に向けて、6割が「人的資本の充実」を重視

 「企業価値向上に向けての経営戦略」として、「人的資本戦略の充実」(60.8%)が最も重視されていることがわかった。これは、優れた人材の確保と育成が、企業価値向上に直結すると考えられているためと推察できるという。

 次に多かったのは「事業ポートフォリオの見直し」(47.8%)であり、これは経営資源の最適配置と成長分野への集中が求められていることを示している。

 また、「価値創造ストーリーの策定」(46.8%)も重要視されており、企業のビジョンや使命を明確にすることで、ステークホルダーとの信頼関係を強化する狙いがあると言える。さらに、23.1%の企業が「M&A戦略」を重要と考えており、これも成長戦略の一環として注目されていることが明らかになった。

 これらの結果より、人的資本の充実と戦略的な資源配分が、企業価値向上において重要な要素であることが示唆されている。

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売上高が大きい企業ほど、「人的資本」「気候変動対策」に注力

 売上高1000億円以上の企業は「人的資本(ダイバーシティー含む)」(27.8%)や「気候変動(TCFD、カーボンニュートラル)」(22.2%)を重視していることがわかった。これらの企業は、多様性と持続可能な環境対策に注力し、高い企業価値を維持していることが示唆される。

 一方、売上高が50億円未満の企業では、「人的資本」(22.8%)や「従業員の健康と安全」(22.8%)を重視していた。これらの企業は、人材の多様性と働き方の見直しに力を入れているものの、気候変動対策への取り組みは相対的に低い。

 売上高が500億〜1000億円未満の企業も、「人的資本」(27.9%)や「気候変動」(21.3%)を重視しており、大企業と同様の傾向が見られた。以上より、売上高が大きい企業ほど、人的資本と気候変動対策に注力していることがうかがえる。

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人的資本に関する取り組みは、約7割が「働き方改革」

 人的資本に関する取り組みでは、「働き方改革(テレワークなど)」(68.3%)が最多であり、次いで「社員エンゲージメント調査」(57.5%)が続いた。これにより、柔軟な働き方と従業員の意識向上が重視されていることがわかる。

 一方で、「人的資本KPIの設定とマネジメント」(23.7%)や「人材ポートフォリオ計画の策定と運用」(9.7%)といった具体的な数値目標や計画の設定は、比較的少ない回答数になった。

 総じて、企業は柔軟な働き方と従業員の意識向上に注力しているものの、数値目標や具体的な計画の設定にはさらなる取り組みが求められるという。

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 なお、調査の概要は次のとおり。

  • 調査対象:全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者・担当者など
  • 調査期間:2024年5月13日~31日
  • 調査エリア:全国 
  • 有効回答数:186件

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