デジタルハリウッドは、同社が運営する起業家・エンジニア養成スクール「G's ACADEMY」にて、全国18〜65歳の男女を対象に、「イノベーションと熱狂的なこだわりの関連性」に関する調査を実施した。
なお、同調査におけるイノベーションの定義とは、所属している組織やコミュニティ(会社、学校、地域など)において、既存の課題から新たな価値を生み出し、大きな変化(変革・改革)をもたらすことを指す。
イノベーションに対する印象と経験について
イノベーションに対して、日本人は積極的だと感じるかと質問したところ、69.5%が「あまり思わない」「まったく思わない」と消極的な回答をした。
自らイノベーションを起こそうと考えた、または行動したことの有無については、「特に考えたことがない」が64.3%と最も多く、次に「考えたことはあるが、自ら行動に移したことはない」が17.5%と続いた。この結果より、日本人はイノベーションに消極的であるというイメージを持ち、実際に行動に移したことがある人も少ないことが明らかになった。
さらに、「特に考えたことがない」「考えたことはあるが、自ら行動に移したことはない」と回答した人に対し、その理由について聞くと、1位は「現状、イノベーションが起きなくても困らないから」が40.0%、2位は「共に進めてくれる賛同者がいなかったから」が20.8%という結果になった。これより、イノベーションがもたらす好影響について、理解できている人がまだ少ないことが推察される。
一方、「自分がリーダーシップを取って行動したことがある」「中心人物(リーダー)に進言し、共に行動したことがある」と回答した人に、イノベーションを進めるにあたり弊害を感じた経験の有無について質問したところ、68.4%が「感じたことがある」と答えた。
また、「感じたことがある」と回答した人に、どのような弊害を感じたか質問したところ、1位は「既存のやり方やルールが固定化しており、転換が困難だった」が76.9%、2位は「賛同はするが、実際に行動に共に起こしてくれる人がいなかった/少なかった」が30.8%と続いた。この結果より、日本企業に未だ多いレガシーシステムや固定概念が、イノベーションを阻害している要因となっていることがうかがえる。
それぞれが持つ「こだわり」の有無と隠した経験について
日常生活や仕事において、大切にしている「こだわり」があるかという質問について、26.6%が「ある」と回答し、全体的に少ない傾向にあることが明らかとなった。「昔のものを大事にする」や「プラモデル作り」など生活のルーティンや食事、仕事に対する取り組み方に関するこだわりを持つ人が多かった。
さらに、こだわりが「ある」と回答した人に対し、他人に隠した経験有無を聞いたところ、「ある」は24.4%だった。その全員が「自分らしい価値観をもっと表出し、仕事や生活に活かしたい」と回答した。これにより、自分のこだわりを周りに隠している人は、仕事や生活において自分らしさを発揮できていないだけでなく、表に出したいと葛藤を抱いていることが明らかとなった。
続けて、こだわりを隠した経験が「ある」と回答した人に対し、その理由を聞いたところ、「偏見の目に晒されたことがあるから」が40.0%と最も多い結果となった。強いこだわりを持つ人は、隠すことで社会に迎合しようとしている傾向にあることが推察される。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査主体:G’s ACADEMY
- 調査期間:2024年8月2日~3日
- 調査対象者:全国18~65歳の男女
- 調査方法:ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
- 調査人数:154名