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「新規事業提案制度」事務局運営のリアル

ENEOSが目指す“価値創出”──「Challenge X」事務局に聞く、挑戦者を支援しつづける工夫

ゲスト:ENEOS 大間知孝博氏、堀尾聡裕氏(前編)

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サポーター制度と外部メンタリングの活用

堀尾:先ほど申し上げたサポーター制度は、提案者を支援したい社員が、所属部署の上長の許可を得た上で、一定の工数の範囲内でサポートに関われる仕組みです。元々は手挙げ制で始めましたが、今年からオーディエンス賞の投票と連動させた運用に進化させています。

大間知:スタートアップも一人ではなくチームで立ち上げるケースがほとんどです。ハードウェアやプログラミングなど、様々な専門性を持った人の力を合わせることが重要です。また、チームとしての応募も可能で、その場合は申請時点でチームとして応募し、代表者を決めておいてもらいます。2年前からはチーム制を取り入れていますが、採択後の工数負担は代表者がメインとなります。

イノベーション:外部からの支援も取り入れていると伺いましたが、どのような形で実施されているのでしょうか。

堀尾:外部支援会社から5~6名のメンタリングスタッフに関わっていただいています。書類選考を通過した段階から、外部メンターが専属で伴走し、最終選考に向けてアイデアのブラッシュアップを支援するなど、プロフェッショナルの視点から挑戦者を支援する体制を整えています。

大間知:Challenge Xの事務局は、専業で担当する2名と、0.5名分の工数で関わるマネージャーで構成されています。限られたリソースで運営していますが、「どうすれば挑戦が前に進むか」を常に考え、支援の仕組みを柔軟に改善してきました。その積み重ねが、制度を単なる仕組みではなく、企業風土を変える力にしてきたと感じています。

イノベーション:少人数の事務局体制ながら、社内外のリソースを効果的に組み合わせているのですね。そのような工夫が制度の持続性につながっていると感じます。審査会である最終選考会についても工夫されていると思いますが、どのような形式で実施されているのでしょうか。

堀尾:最終選考会は現地参加とオンライン配信のハイブリッド形式で開催しています。現地には約60名、視聴者も含めると200名程度が参加する大きなイベントです。皆さんで盛り上がっていただけるように、オンライン中継を通じて多くの社員に視聴してもらえるよう工夫しています。特に地方拠点では、パブリックビューイングのような形で視聴するようなところもあり、多くの方々が楽しみにして下さっています。

 審査員には大企業の新規事業責任者、ベンチャーキャピタル、スタートアップ経営者といった、社外の専門家に参加いただいています。提案者にとっては、外部のリアルな視点からフィードバックを受けられる貴重な機会になりますし、審査の質を高めることで、Challenge X全体の信頼性も向上しています。

イノベーション:各社とも最終選考会の盛り上げには苦心していると聞きますが、熱量を維持しながら盛り上げる仕組みが整っていることがわかりました。後編では、制度の進化や実際の事業化事例、今後の展望について 詳しく伺いたいと思います。

積水化学工業株式会社 新事業開発部 イノベーション推進グループ長 イノベーション鈴木氏
積水化学工業株式会社 新事業開発部 イノベーション推進グループ長 イノベーション鈴木氏
後編『ENEOSの社内ベンチャープログラムはなぜ「運営担当者」や「管掌部署」が変わっても進化し続けるのか』は5月8日公開予定です

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この記事の著者

皆本 類(ミナモト ルイ)

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