多くの企業が設けるようになってきている新規事業提案制度。毎年多くのアイデアを集めていたり、事業化や会社化まで至っていたりと取り組みが進んでいる新規事業提案制度は、運営においてどんな試行錯誤や工夫がなされているのでしょうか。本連載では、イノベーション鈴木氏をホストとして、先駆的な試みを実施している新規事業提案制度の事務局運営者との対談を通じて、新規事業提案制度の運営のヒントを探ります。今回のゲストは、ENEOS株式会社の社内ベンチャープログラム「Challenge X」の事務局を務める大間知孝博氏と堀尾聡裕氏。後編では、制度が進化してきた背景や実際の事業化事例、そして今後の展望について伺います。※2025年3月取材、所属は取材時のものです。
継続的に進化し続ける制度設計の変遷
イノベーション鈴木氏(以下、イノベーション):前編では、「Challenge X」が単なる制度にとどまらず、ENEOSの企業文化を変える“挑戦の場”として機能していることがわかりました。
後編では、Challenge Xの制度運営について、どのように継続・進化させてきたのか、詳しくお伺いしたいと思います。新規事業提案制度は「作る」よりも「続ける」ことに難しさがあると感じています。Challenge Xはどのように進化を続けてきたのでしょうか。
大間知孝博氏(以下、大間知):Challenge Xは2019年に社内起業プログラムとしてスタートしました。当初は「社内起業プログラム」という名称でしたが、現在は「社内ベンチャープログラム」という名称に変更しています。また、制度を統括する部署についても、当初は社長直轄、その後は副社長、CTOの管掌を経て、2025年度からは再び社長直轄に戻る予定です。
堀尾聡裕氏(以下、堀尾):制度名や管掌部署は変わっていますが、「制度をより効果的に運営するための最適化」を常に追求してきた結果であり、新規事業創出という制度の目的自体は一貫しています。
大間知:私たちは、制度自体を目的にしないことを大切にしています。Challenge Xはあくまでも「社員発で事業を創る」ための手段であり、そのためにどうあるべきかを常に考え続けてきました。
イノベーション:制度そのものよりも本質を大切にする姿勢が重要ですね。私の経験上、制度が1つだけで、特定の役員直下に置かれていると、その役員がいなくなったときに制度そのものが終わってしまうケースをよく見てきました。ENEOSのように、新規事業創出を大きな文脈の中で位置づけていることで、持続性が高まりますね。
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