NTTドコモ(以下、ドコモ)は、NTTドコモグループの新規事業創出プログラム「docomo STARTUPTM」を通じて社員が発案した、読み書き困難者「ディスレクシア」向けの学習支援サービス「もじソナTM」をスピンアウトする。
「もじソナ」は、Nankaが開発を推進。代表取締役社長はNTTコミュニケーションズ社員の森分啓太氏が務める。なお、Nankaへの出資は、ライトアップベンチャーズ1号投資事業有限責任組合およびドコモから行うという。
ディスレクシアは、全体的な発達には遅れはない一方で、文字の読み書きに限定した困難を伴う学習障がい。言語の種類や診断基準によって異なるが、世界の人口の約5〜17%がこの特性を持つとされている。これにより学習面での困難が生じ、学業の遅れや二次的な学校不適応などが起きるケースもある。これらの課題を解決すべくNankaは、ディスレクシアの方が学習しやすいサービス「もじソナ」を開発。
「もじソナ」は、利用者が教材を取り込むとAIが内容を解析し、文章を音声で読み上げる学習支援サービス。読み上げられた内容に対して、音声やキーボード入力で回答。紙のプリントや教科書、デジタル教材など、さまざまな学習コンテンツをタブレットやスマートフォンで撮影・取り込むだけで、AIが読み上げや解答欄を自動生成するという。
これにより、読み書きの負担を大幅に軽減。学習意欲の低下抑制や学びの習慣化を促進するとともに、保護者や教育現場における支援の負担軽減にも貢献するとのことだ。

「もじソナ」の特徴
「もじソナ」はAI技術を活用して教材の構造を自動分析し、読み上げや解答入力を最適化。従来の「読む・書く」中心の学習環境に、「聞く・話す」という学習方法を導入することで、多様な学び方を可能にするという。
今使っている教材をそのまま活用できることで、特別な準備なく日常学習にすぐに組み込めるのが特徴。シンプルな操作で文章の読み上げや音声、キーボードで入力でき、読み書きの負担を大幅に軽減しながら学習に集中できるという。また、答え合わせや提出機能を通じて学習の進捗を可視化し、達成感と継続的な学習習慣の形成をサポート。Webアプリとして提供し、学校でも家庭でも一貫した学習体験を実現すると述べた。


現在は商用化に向けた検証を進めており、2025年夏ごろから月額制のWebアプリとしてサービス提供を予定しているという。
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