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ビジネスモデルの競合分析を“顧客目線”で可視化する

第6回

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「価値提案」を競合企業と“価格レベル”で比較する方法

図3.価格レベル図3.価格レベル

 この属性は、価値提案の価格レベルをライバル企業と比較するためのものであり、4つのレベルの属性値サンプルを提示します(図3)。

 エコノミー、マーケット、ハイエンドについては改めて説明する必要はないと思いますが、「フリー」については新しいビジネスモデルの形態の1つとして注目を浴びていますので、概念モデルを使って説明していきましょう。フリーは大きく3つのビジネスモデルに分類されます。注1)

抱き合わせモデル

抱き合わせモデル図4.抱き合わせモデル

 1つ目は、「抱き合わせ(直接的内部相互補助)モデル」と呼ばれるものです(図4)。これには、顧客のお買い得感を煽る「同時モデル」(例.ライブショーは無料で、食事は有料)、顧客の購買インセンティブを煽る「連続モデル」(例.1ヶ月間無料のクラウドサービス)の2種類があります。前者の場合、価値提案は複数のオファーから構成されることになります。前回お話した「ジレットモデル」、「逆ジレットモデル」はこの類型の1つですね。

スポンサーモデル

スポンサーモデル図5.スポンサーモデル

 2つ目は、「スポンサー(マルチサイドプラットフォーム)モデル」と呼ばれるものです(図5)。これは、異なるターゲット顧客に対して、一方には無料(通常は個人)、他方には有料(通常は法人)で、「価値提案」もしくは「オファー」を提供するもので、有料顧客が無料分のコストを実質的に負担するものです。古くはラジオやテレビといったマスメディアから、近年のGoogleやFacebookといった新しい企業まで、広告収入を主な収益源としている事業体はこのビジネスモデルがベースとなっています。転職支援サイトやヘッドハンティング企業といったエージェントモデルもこの類型ですよね。

フリーミアムモデル

フリーミアムモデル図6.フリーミアムモデル

 3つ目は、フリーミアム(フリーとプレミアムの合成語)で、近年最も注目されているビジネスモデルの1つです(図6)。これは、基本的なオファーを無料、追加的なオファーを有料で提供する仕組みです。ソフトウェア、コンテンツ、情報やノウハウといったプロダクトやサービスに適用されることが多いようです。無料の情報をFacebookページで提供して、有料の付加サービスに誘導するといったビジネスも今後かなり増えていくことが予想されます。

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価値ライフサイクルは「顧客」と「価値提案」が交わる

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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